カメを触ったことによるサルモネラ症の集団発症が米国で相次いでいることを受け、厚生労働省が都道府県にミドリガメなどペットの取り扱いに注意を呼びかける文書を出したことが14日、分かった。サルモネラ症は急性胃腸炎が主な症状だが、重症化すると髄膜炎や敗血症を引き起こす恐れもあり、日本でも爬虫(はちゅう)類から感染したとみられるサルモネラ症が毎年のように発生している。
厚労省によると、サルモネラ症はサルモネラ菌に汚染された食品を食べたり、爬虫類を触ってサルモネラ菌が付着した手指が口に入るなどして起きる。抵抗力の弱い乳児やお年寄りは特に注意が必要で、海外では死亡例もある。米国では2011年5月以降、サルモネラ症の患者が41州で391人報告されており、3割が入院するなど重症化。患者の7割はカメと接触していた。
カメなどの爬虫類の50~90%はサルモネラ菌を持っているとされ、菌を含んだ糞(ふん)を排泄(はいせつ)した水槽の水を通じて感染することもある。国内ではこれまでに、ミドリガメやケヅメリクガメ、イグアナなどから感染した例が報告されている。
厚労省は都道府県へ注意文書を出すとともに、爬虫類の世話をした後は十分に手を洗うことや、飼育する爬虫類を自由に動き回らせないなどの対策を呼びかけている。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20130814553.html