【下司佳代子】この4年間で、卵子提供を受けた出産の7割で、妊娠高血圧症候群など母子への重い健康影響があった。厚生労働省研究班の調べでわかった。高齢妊娠や受精卵を排除する免疫反応の影響が考えられるといい、「極めてリスクが高い」と注意を呼びかけている。
竹下俊行日本医科大教授らは昨年11~12月、高齢出産を扱うことが多い大学病院など302施設に、2009年以降の卵子提供による妊娠・出産についてアンケートした。163施設(54%)から回答を得た。
卵子提供による出産は4年間で117件あり、流産は5件だった。このうち93件は海外で提供を受けていた。母親の年齢は28~58歳で平均45歳。
出産までの経過が分かった100件のうち、重い健康影響を伴うものは68件(68%)にのぼった。具体的な影響を複数回答で聞くと、脳出血などの危険が高まる妊娠高血圧症候群が27件、切迫早産22件、出産後も胎盤がはがれない癒着胎盤が9件、大量出血の危険がある前置胎盤が8件だった。生まれた子どもの体重が2500グラム未満の低出生体重児も44件あった。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/medical/TKY201307150143.html