野鳥の繁殖シーズンを迎え、今年も新潟県内でカラスが電柱に巣を作り、停電する事故が増えてきた。東北電力新潟支店によると、22日正午現在、カラスの営巣による停電は14件にのぼり、昨年の総数に近づいている。営巣は6月ごろまで続くため、同支店は今後もパトロールを強化、監視を強めていく。
21日午前7時55分ごろ、新潟市中央区幸西、同区上所上などの住宅街で突然停電が発生した。同社で調べると、同区上所中にある電柱の先端近くのアームにカラスが営巣。巣材にしていた金属製のハンガーが6600ボルトの高圧線に接触し、ショートしたことが原因と分かった。高所作業車で地上約14メートルにある巣を撤去し、停電は約1時間半後、全面復旧したが、最大2602戸で影響があった。
同支店によると、カラスの巣による停電は全国で発生しているが、県内では平成22年に14件、23年と昨年は各16件あった。このため、管内をパトロールし、停電を起こす恐れのある巣を撤去しており、その数は毎年8千個前後に達している。今年も3月末現在、2176個を撤去した。
カラスは本来、木の枝などで巣を作るが、今回は都会で手に入りやすいハンガーを巣材として使っていた。金属製のため、電気を通しやすく、木の枝よりも停電を起こしやすいという。
新潟支店によると、カラスは同じ場所に巣を作る習性がある。このため、巣を撤去した後の電柱のアームにはカラスが止まらないよう、とげが付いた営巣防止機材を設置しているが、カラスも賢くて、防止機材を避けて営巣。いたちごっこになっているのが現状だという。
同支店広報担当の佐藤卓さんは「カラスは10年ほど前までは郊外に多かったが、最近は営巣場所が減ったため、餌になる生ごみがある市街地に進出して電柱に巣を作るケースが増えたのではないか。電柱の下にハンガーが落ちていたり、巣を見つけたら、情報を提供してほしい」と協力を呼びかけている。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/130422/ngt13042222170006-n1.htm