今月は自殺対策強化月間。福岡県北九州市は19日、市のホームページにアクセスして質問に答えるだけで、自分のストレスの強弱や落ち込み具合が分かるサービス「こころの体温計」を始める。
ゲーム感覚で気軽に利用してもらうことで、自殺予防につなげるのが狙いだ。全国で50以上の自治体が導入しているが、政令市では初めてという。
昨年1年間の自殺者数は全国で2万7858人で、15年ぶりに3万人を下回った。同市は226人で前年よりも27人減ったが、依然として200人を超える状況が続いている。
「こころの体温計」は、東海大の付属機関が人間ドッグでの検診用に開発したシステム。ストレスチェックでは、健康状態や人間関係、ストレスを感じる内容などを尋ね、落ち込み度チェックでは、最近2週間の自分について、「ぐっすり眠れるか」「時間に追われた生活をしているか」などの質問に選択肢から選ぶ。
回答後、すぐにイラストが出て、赤い金魚が自分のストレス度、黒い金魚が対人関係、猫が社会的ストレスを表し、落ち込み度に応じて水が濁るなど、自らの状態がひと目で分かるようになっている。
家族の心の健康状態をチェックできるコースもあるほか、自殺の要因の一つとされるアルコール依存の度合いもチェックできる。また、相談窓口の電話番号などの情報も紹介する。
19日午前8時からJR小倉駅前で、携帯電話のQRコードが記されたポケットティッシュを配るほか、各区役所や医療機関にも、案内チラシを置く。
市立精神保健福祉センターは「知らないうちにストレスをため込んで、相談しないまま自殺する人も少なくない。まずは自分の心の状態をチェックしたうえで、必要なら迷わず適切な機関に早めに相談してほしい」と利用を呼び掛けている。
市のホームページから接続できるほか、「北九州市 こころの体温計」のキーワードでも検索できる。問い合わせは同センター(093・522・8729)へ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130316-00010004-yomidr-hlth