電力事業者への本紙調査では、原子力規制委員会の活断層調査の進め方に対する意見も尋ねた。その結果、活断層調査の対象となっている事業者は、規制委へ要望や注文をつける回答が目立った。
規制委の活断層調査は日本原子力発電「敦賀」、東北電力「東通」、関西電力「大飯(おおい)」「美浜」、北陸電力「志賀」、日本原子力研究開発機構の「高速増殖原型炉もんじゅ」の6原発が対象。敦賀、東通、大飯はすでに現地調査を行い、敦賀と東通は「活断層の可能性が高い」と判断された。
調査結果では、規制委の判断に公開質問状を出している原電が「科学的見地からの疑問点に問題を提起したが、審議の中で十分な答えがなかった。重要な点で事実と異なっていたり、裏付けとなる十分な事実やデータが示されていない」と規制委の活断層調査を疑問視。2月5日と今月15日に同社が規制委に提出した調査中間報告書について「科学的観点から十分に検討していただきたい」と要求した。
規制委の調査では、事業者の意見聴取が不十分だったり、調査する専門家の専門分野に偏りがあるとの指摘もある。
このため東北電力は「科学的な判断を行うには事業者からの意見も十分に踏まえた上で、過去の安全審査に携わった専門家も含め幅広い分野の専門家で慎重に議論することが重要」と回答。近く志賀原発の調査が予定されている北陸電力も「事業者の調査結果を踏まえ客観的なデータに基づいて科学的な評価をし、慎重に判断してもらいたい」と注文をつけた。関電は「回答する立場にない」と意見を留保した。
現時点で活断層の調査対象となっていない事業者のなかでは唯一、北海道電力が「評価・検討に当たっては事業者の意見を十分に説明することが重要」と要望した。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20130317062.html