ニールセンが8月に発表した「スマートフォンユーザーのアプリ利用実態」によると、スマートフォンのアプリをダウンロードする基準をAndroidユーザー1,758名とiPhoneユーザー1,191名に複数回答で聞いたところ、Androidユーザーの90.1%とiPhoneユーザーの85.0%が「無料のアプリであること」と答えた。
こうした傾向もあり、注目の無料アプリは短期間で多くのユーザーを増やせることから、続々とリリースされている。
その一つ、スーパーソフトウエアの「漫画カメラ」は、撮影した写真をどんなものでも漫画化する面白カメラアプリ。フレームも20種類以上用意されており、お気に入りの1枚をその場でフェイスブックやツイッターに投稿することも可能だ。9月10日のリリースからわずか20日あまりで200万ダウンロードを達成し、10月22日には300万ダウンロードを達成した。
また、ネギやコンニャク、キャベツなどの群馬県の特産品を収穫し、ためた得点でほかの都道府県を制圧していくシミュレーションゲーム「ぐんまのやぼう」も、リリースから2か月あまりで60万ダウンロードを超えた。続編の「にほんのたたかい」も合わせると、100万ダウンロードを超える大ヒットシリーズになっている。その人気ぶりから、開発者の本間和明さんは群馬県のPR大使「ぐんま観光特使」に任命され、大きな話題となった。
このほかにもヒットした無料アプリは数多く存在するが、気になるのはその収益モデルだ。
無料アプリの収益の一つは広告収入。多くのユーザーを抱えるアプリの場合、1日に多くの人が画面を見るため、そこに広告を掲載すれば収入を得ることができる。クリック単価の場合、1回あたり10円に満たないケースも多いが、クリック数が増えればその金額は膨大になる。
また無料でアプリ楽しんだあと、ワンランク上のサービスを求めるユーザーに有料コンテンツを販売することもできる。数百万人のユーザーを抱えるアプリなら、有料コンテンツ購入者が数%でも、大きな収益を上げることが可能となる。
さらに、企業を丸ごと売却することも夢ではない。今年の4月には米フェイスブックが無料の写真撮影アプリ「インスタグラム」の開発会社を約10億ドルで買収した。インスタグラムが保有する3,000万人超のユーザーが、フェイスブックの関心を引いたようだ。
無料アプリヒットの裏で多くのサクセスストーリーが生まれており、開発競争はヒートアップしている。ユーザーにとっては、面白くて使える無料アプリの登場に期待が高まる。
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