金地金の分割払い取引に関する相談が全国の消費生活センターに寄せられている。国民生活センターは11月1日、「受け取りは105歳になってから!?金(きん)地金(じがね)の分割前払い取引のトラブルが増加-訪問販売や電話による現物積立まがいの勧誘にご注意-」と題して、相談事例や解決結果を紹介した。
相談事例では、大阪に住む80代の女性が、自宅に来た営業マン風の男性に「金を買っておくといいですよ」と勧められた。相談者は、昔、金を買った経験もあり、とても感じのいい人だったので買うことにしたという。契約内容はよく分からないまま、契約書に一字一句、業者の指示通りに記入した。業者に約500万円を渡したが、現物はどこに保管されているのかと疑問に思い、家族に相談した。家族が契約書を確認すると、約500万円は頭金のようなもので、残りは月6万円ずつ25年間積み立て、全額を支払い終えたら現物を受け取れるという総額2,000万円以上の契約だった。そんなに高額で長期の契約だとは思わなかったので解約を申し出ると、手数料約200万円を差し引いて返金すると言われたが、納得がいかないないため相談したという。
全国の消費生活センターに寄せられた、同様の金地金の分割前払い取引に関する相談は、2009年度では1件だったが、2010年度が35件、2011年度が90件と年々増加しており、2012年度にも78件(前年同期23件)の相談が寄せられている(2012年10月23日までの登録分)。また、契約当事者の年代別にみると、60歳以上が全体の8割以上を占め、高齢者のトラブルが多いことが分かる。
同センターは、消費者へのアドバイスとして、「長期間の前払い代金の支払いが完了しないと現物を受け取れない取引内容であり、リスクがあることを認識して慎重に判断すること」「日頃から家族や身近な人による高齢者への見守りも大事」「おかしいと気づいたら消費生活センターに相談するように」などと呼びかけている。
あの手この手で高齢者を狙う詐欺的な販売手法は後を絶たないので、十分注意するようにしたい。
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