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<アスベスト>劣化煙突から飛散 研究員が発表へ

アスベスト(石綿)を断熱材に使った煙突から石綿粉じんが飛散しやすいことが複数の研究者の調査で分かった。煙突頂部で高い濃度の石綿繊維を確認した。石綿を使った煙突は、学校教育施設や公民館など、全国で数万本残っている可能性があるという。通常、問題となる建物の解体時以外にも石綿が飛散している可能性を示す結果で、国土交通省社会資本整備審議会アスベスト対策部会は「早急かつ重点的な調査が必要」と指摘。独立行政法人建築研究所の古賀純子主任研究員らが日本建築学会で、東京労働安全衛生センターの外山尚紀・作業環境測定士らが大気環境学会で、それぞれ14日に発表する。

問題が指摘された煙突は主にボイラーの排気、排熱用。内側に石綿断熱材が使われ、鉄筋コンクリート建物に組み込まれたものが多い。公共、民間いずれの場合もあり、病院や社屋、店舗、寮なども含め、幅広く使われているという。

古賀主任研究員らは国交省の事業として、東北・関東・近畿・北陸の建築物の煙突計17本などについて大手建設会社と共同研究。その結果、いずれも敷地内の地上では、石綿繊維本数は、空気1リットル当たり0.3本未満(未検出)だった。

これに対し、著しく劣化した煙突では、ボイラー未使用の状態で、頂部の煙突口で同12本、下部の内部で同24本の石綿繊維を検出した。その隣の屋内の機械室でも同9.1本見つかった。劣化していない煙突でも、ボイラーを稼働した場合、頂部で同2.8本だった。

また外山作業環境測定士の調査では、やや劣化した煙突のボイラー稼働時、頂部で最大同73.1本の石綿繊維を検出した。模擬実験では「通風」「加熱」などの条件が追加されるごとに飛散本数が増えた。煙突下部での灰出し作業の模擬実験では同平均735本の石綿が見つかった。地上で検出されなかったのは上空の風で石綿が拡散したためとみられる。

外山氏らによると、問題の煙突用の石綿断熱材で代表的なものは、耐火材メーカーのニチアス(旧名・日本アスベスト)が1964~77年に製造した「カポスタック」で、毒性が強い茶石綿が70~80%含まれていた。生産量は煙突約5万本分との推定もあり、大半が現存している疑いがある。このほか、他社製の煙突用石綿断熱材も残っているという。

除去や封鎖対策を 中皮腫・じん肺・アスベストセンター所長の名取雄司医師の話 今後、さらに実態を把握し、煙突と同じような高さの建物などに影響していないか調べる必要がある。劣化したものは除去や封鎖などの対策をすべきだ。灰出し作業などに従事するボイラーマンは過去に作業歴のある人も含めて健康チェックが必要だ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120912-00000006-mai-soci

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