[ カテゴリー:医療, 子ども ]

<Dr.中川のがんの時代を暮らす>/47 学校で教える機会を

日本は、2人に1人が、がんになる「世界一のがん大国」です。それにもかかわらず、がん対策の遅れが目立ちます。喫煙率は先進国のトップクラス、早期発見のカギとなるがん検診受診率は最下位です。実際、先進国でがん死亡が唯一増えているのが日本です。

こうした問題の根底には、国民が「がんを知らない」という現状があります。特に問題なのが、学校で「がん教育」が欠如していることです。僕が子どもの頃も、せいぜい、雨で運動ができない日に保健の教科書を開いた程度で、「保健体育」が「体育体育」となっていたのが実情です。

一方、欧米の多くの国では、「体育」と「保健」は別の教科になっていて、保健の授業で、がん経験者を教室に呼んで体験談を聞くなど、がん教育にも力を入れています。がんによる死亡は、ちょっとした知識があれば避けられますし、早期がんであれば初回治療でほとんど完治するため、がん教育は医療費の削減にもつながるからです。

今は少しは改善されましたが、読者の中で、学校でがんを習った方はほとんどいないはずです。そもそも、男性教師で一番たばこを吸うのは保健体育の先生だった、とのデータがあるほどです。

「学校でがんを教えなければ、この国のがん死亡を減らすことはできない」という思いで始めたのが「生きるの教室」です。私が全国の中学へ出向いて「がんの授業」をする取り組みです。

この「出張教室」は、製薬会社のバイエル薬品が企画し、昨年から始めた教育プログラムです。がんの予防や治療に関する学習を通じて、命の大切さを知り、生きる力をはぐくむことを目指しています。

オリジナルのアニメ教材やがん経験者との対話などを通じて、「命の大切さ」「がんの予防法」「がん検診の大切さ」「がんとの向き合い方」などを伝えます。幸い、生徒、保護者、学校関係者からも高い評価をいただいています。次回、この「生きるの教室」について詳しく紹介します。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/medical/20120806ddm013070010000c.html

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