「キレる子ども」やいじめ、学級崩壊など「子どもの心の問題」が社会的に注目されるなか、文部科学省は近く、乳幼児期の教育などから対処法を考える有識者会議を発足させる。子どもの情動の原型が乳幼児期までに形成されるとした報告などを踏まえ、会議には保育園関係者らも参加。文科省は来年3月までに報告書をまとめ、保育現場に対する指針作りなどに活用したい考えだ。
子どもの心の問題を巡っては、従来の経験則に基づいた指導では「効果が上がらない」という声が現場から上がっている。文科省の「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」が05年にまとめた報告書は、情動について「5歳くらいまでにその原型が形成される」と指摘。「乳幼児期の適切な環境とコミュニケーションが大切」としている。
今回は報告書の内容を踏まえ、保育や教育の現場での子どもの指導にどうフィードバックさせるかを議論する。また、05年の検討会では、子どもの情動と脳の働きに関する科学的研究の進み具合についても議論されており、文科省は「子どもの脳に関する研究成果を現場で応用できるようにしたい」(児童生徒課)と話している。
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