日本財団パラリンピック研究会代表の小倉和夫氏が8日、大阪市内で開かれた内外情勢調査会で講演し、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた国内のバリアフリー化について「進んでいるようで進んでいない」と指摘した。
小倉氏は、競技場の車いす席を増設する必要性を訴えた。1998年の長野冬季大会を例に、町全体でバリアフリー化の促進に取り組めば、「遺産になる」と説明。さらにパラリンピック競技の認知度の低さにも触れ、障害者スポーツへの理解を深めるために「もっと啓発活動をしないといけない」と述べた。
講演会には、ゲストとして08年北京大会で金メダルを獲得した車いすランナーの伊藤智也氏も参加。実体験に基づき、競技場にアクセスする交通インフラのバリアフリー化が遅れていることを指摘した。
伊藤氏は元競技者の視点から、障害者スポーツ選手を取り巻く実情にも言及。スポンサーが得にくく、経済的に苦しい状況にある選手が多いという。環境を変えるためにも、競技を「掘り下げて見てほしい。スピリットは同じ」と呼び掛けた
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151008-00000131-jij-spo