聴導犬レオンのユーザーで、絵画教室などを手掛けるNPO法人MAMIE代表の安藤美紀さん(46、大阪市)が8月から、レオンを題材にした4コマ漫画の頒布を始めた。「レオンが毎日楽しんでいることを知ってほしい」と話している。
生まれつき耳が聞こえない安藤さんがレオンのユーザーになったのは2010年3月のこと。周囲で一緒に働く人は、「レオンと暮らす前の安藤さんは『失敗しないように』とピリピリしていた」と証言する。しかし、今では安心感からか穏やかな表情になったという。
一方、日本に60頭しかいない聴導犬にはまだまだ誤解も多い。
レオンは玄関のチャイムが鳴ったら安藤さんに知らせることなどが仕事。常に緊張を強いられて可哀想だと思われがちだ。
また、安藤さんとレオンが電車に乗ると席を譲られたり、スーパーでは店員が「どの品物をお取りしましょうか」と近づいてきたり、親切な勘違いもある。
言葉を話すことはできる安藤さんは、レオンのユーザーになったことで急に「障害者」になったような気がしたという。捨て犬だったレオンが生き生きと暮らしていることを伝えなくてはと思った。
漫画には「かゆいねん」「おやつのねだり」など、レオンの性格や習慣が分かるような作品を収めた。
プロ顔負けの腕前の安藤さんは、これまでも動画サイト「YouTube」に聴覚障害や聴導犬を題材としたパラパラ漫画を投稿。9月からはイラスト付きの冊子『聴覚障がい者と聴者のマナーの認識の違いって?』の頒布も始めた。
「障害児の学ぶ場を増やし、聴覚障害と聴導犬を学ぶ」。これがMAMIEのミッションだと安藤さんは話す。漫画や冊子の入手方法はウェブ(http://www.mamie.jp/)を参照。
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