[ カテゴリー:生活 ]

チェーン部分からニッケルが溶出したネックレス(相談解決のためのテストから No.91)

消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。

「ネックレスを着用したら、首がかぶれた。チェーンからニッケルの溶出がないか調べてほしい。」という依頼を受けました。

当該品は、カタログギフトで入手した、チェーン部分にシルバー925(注)が使われているという真珠のペンダントネックレスでした。相談者はニッケル、ステンレス等にアレルギーを持っており、初回の着用で首筋がかぶれたとのことでした。その後、相談者が販売事業者に問い合わせたところ、チェーン部分のシルバー925には、下処理にニッケルめっき、その上からロジウムめっきを施しているとのことでした。

ニッケルは耐食性に優れているなどの特性や、その色合いから、めっき加工などに広く用いられている金属ですが、皮膚などへの長期接触により、アレルギー性皮膚炎等を引き起こす場合があることが知られています。

そこで、当該品のチェーン部分からのニッケルの溶出量を調べるため、欧州規格に準拠した試験を行ったところ、67.1μg/cm2/週と、欧州での基準値(0.5μg/cm2/週)を超えていました。

一方、当該品の丸カン部分に「STERING」(注)の刻印がみられました。また、同梱(どうこん)されていたカードには、取扱い上の注意として「体質によって、かゆみ・かぶれが生じる場合がありますので、皮膚に異常を感じたときは、ご使用をお止めいただき、専門医にご相談ください。」と記載されていましたが、金属アレルギーの原因となることがあるニッケル等の金属が使われている旨の記載はみられませんでした。

依頼センターから販売事業者にテスト結果を伝えたところ、販売事業者から、8月以降のカタログには「ロジウムメッキ(下地にニッケルを使用もしくは含む)」と明記するとの回答がありました。

  • (注)「シルバー925」、「STERING」はともに純度925‰(パーミル)(=92.5%)の銀を指す用語です。純銀は柔らかく傷つきやすいため、純度の高い銀をアクセサリーや硬貨等で用いる場合は微量の銅等を加えた合金とすることが一般的とされています。

 


本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20150917_2.html

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