北朝鮮が、日本人拉致問題などの再調査を開始してから4日で1年となるのを前に結果の報告延期を日本政府に伝達してきたのを受けて、県内の関係者からは3日、改めて失望と不満の声が上がった。高齢化する拉致被害者と特定失踪者の家族に残された時間は少なく、「期限を決めて交渉すべきだ」との意見も出ている。
昭和49年2月に佐渡で行方不明となった特定失踪者、大沢孝司さん(69)=失踪当時(27)=の兄、昭一さん(79)=新潟市西蒲区=は「去年の今ごろは『今度は大丈夫』と思ったが、前と同じようなことの繰り返しでしかない。北朝鮮には『ともかく生存者を帰してくれ』と、日本政府に対しては、同じことをしてもダメ。違う打開策を見つけてもらいたい」と声を振り絞った。
昭一さんは1年前、「家族にとっては最後の機会」として再調査に期待を寄せたが、またしても裏切られた状況が続いている。
平成10年4月に行方不明となった長岡市の中村三奈子さん(35)=失踪当時(18)=の母、クニさん(72)=は「解決を期待していたが、少しも進展が見られず疑問に思う。その思いの矛先をどこに向ければよいのか」と胸の内を語った。
日本政府の対応については「北朝鮮に期日をしっかり示して、あらゆる手段で拉致被害者を取り戻す努力を真剣にやってほしい」と訴えるとともに、最愛の娘を探し続ける決意を新たにした。
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