[ カテゴリー:福祉 ]

障害者の暮らし、親の死後どう支援? 京都で施設開設相次ぐ

障害のある人が地域で暮らす「グループホーム」が今年、京都市右京区に2カ所誕生した。国の施策に基づき同様の施設は全国で開設されているが、親の高齢化が進み、将来を見据えた安心した住まいの確保は大きな課題だ。「老障介護」に直面する親の思いや地域の声を聞いた。
天神川沿いのサクラ並木を望む開放感あるリビングで、入所者たちがテレビを見たり、職員と会話をしたりしていた。右京区西院西田町のグループホーム「ぷらり」。当事者家族でつくる「市身体障害児者父母の会連合会」が4月に重度身体障害者向けとして開設した。
3階建てで定員は8人。40代の男性2人が暮らす。介助者がいなければ日常生活を送れない人もいる。職員が24時間常駐し、8万円の家賃のうち一部は行政の補助がある。
長男(44)が入居する竹村壽子さん(72)は、長年家族で介助を続けてきた。約10年前に夫(75)が脳梗塞で倒れ、竹村さんも病気で入退院を5年ほど繰り返した。受け入れ施設は見つからず「どうしようもない状況だった」と振り返る。
竹本さんのように障害のある子がいる家庭では、親の高齢化で介助が困難になる「老障介護」に直面し、「親亡き後」の悩みを抱える。現場の職員には「自分が面倒を見られる間に子をみとりたい」といった声が寄せられる。家庭内で孤立して心中する例もある。
同会が「介護者が介護不能になったときの考え」を聞いた家族へのアンケートでは、約140世帯のうち約23%が「不明かつ不安」と答え、約38%が入所施設やグループホームでの生活を希望していた。ぷらりの入居者の募集には、定員の倍の応募があった。
「入れてホッとした気持ちもあるが、同じように悩んでいる家族はたくさんいて複雑だ。ほかにも受け入れ先を考えなければ」と竹村さんはいう。
施設をめぐっては、地域の支援や理解も欠かせない。今月、同区西院上今田町にできた知的障害者のグループホーム「WITH 京(みやこ)」は、長年地元で作業所を運営してきた社会福祉法人みやこが開いた。30~60代の6人が暮らす。羽根田晴美施設長(67)は「昔から作業所があり、祭りなどを通じて住民と交流があったので、すんなりと受け入れてもらえた」と話す。
全国では開設の際、近隣住民の反対で計画を断念せざるを得ないケースもある。ぷらりの地元の西村明自治会長(66)は「反対などあり得ない。町内に開設すると聞いてうれしかった。同じ住民として共に生きたい」と語る。地域の社会福祉協議会も積極的に交流していく方針だ。
グループホームは新築だけではなく、賃貸住宅を活用する例もある。兵庫県は2008年度からグループホームの設置促進に向け、社会福祉法人などの事業者に県営住宅の情報を提供する「マッチング事業」に取り組む。これまで59戸、158人(4月現在)が入居した。
父母の会連合会の渡辺登志子会長(72)は「親亡き後の暮らしは永遠のテーマ。グループホームの存在を多くの人に知ってもらい、それぞれの障害者に合った生活ができるよう、空き家の活用なども考え、安心できる生活を支援したい」と模索を続ける。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150614-00000027-kyt-l26

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