認知症の予防や早期発見、早期ケアの重要性を考える公開講座「地域ぐるみで認知症予防」が26日、横浜市中区の市健康福祉総合センターで開かれた。日本認知症予防学会理事長の浦上克哉鳥取大医学部教授が講演し、「認知症を予防できる町づくりを」と訴えた。社会福祉法人若竹大寿会の主催で市民や介護関係者ら約250人が参加した。
認知症患者は2012年で約462万人。25年には約700万人に増えると推計されている。さらに健常者と認知症の人の中間の段階にある軽度認知障害(認知症予備群)も「認知症患者の約1・5倍に上ると考えられる」と浦上教授。
今後の対策について同教授は「認知症は病気であるという認識が低く、早期発見が進んでいない」と指摘。タッチパネル式コンピューターなどによる検診を普及させ、早期発見、早期ケアを行うことで「予備群から認知症への移行を止めることが可能だ」と強調した。認知症になっても、薬物治療と適切なケアで進行を予防できるとした。
町ぐるみの認知症予防の取り組みで、介護保険費用の大幅な削減効果を上げた鳥取県琴浦町の事例も紹介し「認知症になっても安心して暮らせる町づくりだけでなく、予防できる町づくりが大きなテーマだ」と訴えた。
また、横浜市内の地域ケアプラザ、小規模多機能型居宅介護事業所が予防やケアなどの実践事例を報告。脳トレ教室、予防ゲーム、レクリエーション、徘徊(はいかい)高齢者の発見保護ネットワークなどの取り組みが紹介された。
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