「自分だけいつも残業してずるい」「早く帰れないんだから仕方ないだろ」
共働き子育て家庭であればこういったケンカが繰り広げられることは珍しくない。特に子どもがいれば、頻繁に起こりうるケンカの1つだろう。
共働き子育てはストレスもたくさんだ。せめて保育園だけでもすんなり入れればと思うが、育休終わりで会社に戻ろうにも預かってくれる保育園がない。認可保育園に預けられなかったため保育料が高くなってしまった。など、そう上手くはいかないのが実情だ。本来ならば、職場復帰したいと思った時に子どもを保育園にすんなり預けられることが理想と思いつつも、まだまだそんな社会には遠く自分たちで情報収集し、上手く“保活”を行うしかないのが実情である。
『共働き子育てを成功させる5つの鉄則』(普光院亜紀/集英社)では、保育園を考える親の会代表の普光院氏が、保活のノウハウや、保育制度について語っている。本書に書かれている保活のノウハウを一部紹介しよう。
【保活開始時期は?】
保活の流れを順序だてて並べるとこうなる。
1.地域の保育園情報集め、役所への相談
2.園見学
3.園選び(希望準備を決める)
4.入園申し込み
5.入園内定
6.面接入園説明会
7.入園
本書では、なるべく早めに保活をはじめるのが望ましいと書かれている。理由としてあげられるのは、入園する時期(4月入園か年度途中入園か)、入園する年齢によって難易度が違う、認可外保育施設には予約の先着順で入園を決定する場合があるなどだ。
早めに地域の園事情を調べ、場合によっては、仕事復帰の時期を調整したり、認可外への予約申し込みをしたり、最悪の場合は引っ越すなども視野にいれなければいけない。
保育園が必要だと思ったならすぐに調べ始めるぐらいの素早さが保活には必要だ。
【保活の情報集めのコツ】
保活をはじめるにあたって、最初に行うのは情報集め。
まずはインターネットで検索と思う人も多いかもしれないが、普光院氏は「いきなりインターネットで検索してはいけません」と言う。
理由は、ネット上で保育施設のPRを見ても、認可か、認可外か、認可外でも自治体の助成を受けているのか受けていないのか、など基本的なことがわからないからだ。また、公立保育園などはPRしていないため、ホームページなどが見つからない場合もあるという。正しく必要な情報を万遍なく知るためには、市区町村から発行している「○○市 保育園入学案内」などを手にすることからはじめるように本書では薦めている。
【入園選考は何を見ているの?】
情報集めをして自分たちの気に入った保育園も申し込んだ。そこで気になるのは入園選考。何を基準に行っているのだろうか。
入園選考は基準指数+調査指数の点数評価で行っている。また、同点の場合は総合的に判断を行う。基本的に審査されるのは家庭の事情であり、子どもではなく親だ。
基準指数は保護者が仕事などで保育できない時間が長いほど点数が高く、通学や求職中などの場合は点数が低い。保育できない度合いが高いほど有利に設定されている。また、調整指数はもろもろの家庭の事情を組んで調整される。ひとり親家庭である、保護者が育児休業明け、認可外保育施設などに子どもを預けて両親が働いているなどの場合は加点され、過去に保育料の滞納があった、同居の親族が保育できる場合などは減点される。家庭の事情をふまえ入園選考の優先順位が決められている。
本書では保活の他にも共働き子育て夫婦がぶつかるであろうさまざまな問題、そして対処法が書かれている。冒頭で書いた「自分だけいつも残業してずるい」「早く帰れないんだから仕方ないだろ」などの夫婦ゲンカを減らす方法などにも触れている。
子どもがいる家庭だけではなく、まだ何も決まってないけれど将来は子どもがほしいと思っている人もぜひ早めに読んでおくべき一冊だ。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150402-00006308-davinci-life