介護職員が体に装着して介助作業の負担を軽減する「ロボットスーツ」の実証試験が、柏崎市三和町の有料老人ホーム「ロージィ・コート柏崎」で進んでいる。スーツは、筑波大学発ロボットベンチャーのサイバーダイン(つくば市)が開発した「HAL(ハル)介護支援用」。装着者からは「腰の負担が軽減される」などと評価する声が上がっている。
介護支援用スーツは、腰と腹部、太ももにベルトで巻いて固定する。重さは約3キロ。
重い物を持ち上げようとすると、背中に貼った電極で脳からの電気信号を検知し、コンピューターが解析。情報に基づいて腰の横にある2つのモーターが作動し、巻いたベルトで装着者が後方に「引き起こされるような動き」をする。1回の充電で約2時間作動する。
20日には泉田裕彦知事が同ホームを視察。スーツを装着した女性介護職員が、ベッドのシーツを交換したり、入居者役を車いすからベッドに移動させたりした。実演した職員は「中腰姿勢の作業が長く続くときにスーツのサポート力を感じる。入居者を8割程度の力で持ち上げられる」と評価。五十嵐恒之施設長も「介護職員の腰痛を予防して職員の定着につなげたい」と期待した。
一方、職員から「入居者を持ち運ぶ際に腰の負担は軽くなるが腕の力はいる」「スーツの取り外しを簡単にしてほしい」などの改良点も浮上した。
サイバーダインは介護支援用スーツのレンタルを1月に開始し、全国に先駆けて同ホームが1台導入した。導入費は約60万円で、約半分を県が補助した。今月末まで試験し、導入効果や改良点を検証する。
サイバーダインの久野孝稔メディケア推進部長は「安倍晋三首相が『日本をロボット活用のショーケースにしたい』と明言した。新潟での実証試験もその1つで、今後も増やしたい」と強調。泉田知事は「産業活性化につなげたい」と期待した。
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