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育児相談の現場から(7)子供のアトピー発症リスクを下げるには

子育てに関するお母さんたちの悩み答える本シリーズ。今回は、子供の病気の中でも相談が多いアトピー性皮膚炎について取り上げます。特にお母さんやお父さんがアレルギー体質の場合、子供への遺伝を心配する親御さんは少なくありません。

育児相談の現場から(7)子供のアトピー発症リスクを下げるには

◆アトピー性皮膚炎は遺伝するの?
親や兄弟にアトピー性皮膚炎を持っている人がいると、その子供やきょうだいも発症しやすいと考えている人は多いようです。実際のところはどうなのでしょうか? 日本皮膚科学会のアトピー性皮膚炎の定義にも、「患者の多くはアトピー素因を持つ」と、体質との関連が述べられています。ここでいうアトピー素因には、家族に気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患の経験があることが挙げられています。

◆遺伝的な素因があっても必ずしも発病しない
ここで注意が必要なのは、「多くは」アトピー素因を持つのであって、「必ず」ではないことです。アトピー性皮膚炎の発症に関する遺伝子の研究は多くあります。しかし、アトピー性皮膚炎に関連した遺伝子を持っていると必ず発病すると結論づける報告はありません。ほぼ同じ遺伝子を持つ一卵性双子であっても、一方はアトピー性皮膚炎を発症したけれど、もう一方は発症しないという例も複数見られます。遺伝的な要因だけでなく、生活環境や体調など、さまざまな影響・要因が加わって発症するという考え方が主流です。

◆アトピーのリスクは下げられる!
では、アトピー性皮膚炎の発症を防ぐにはどうしたらいいでしょうか? 最近のアレルギー研究で、遺伝的な素因のある・なしにかかわらず、アトピー性皮膚炎の予防に関してできることがあることが報告されています。それは、新生児のうちからしっかりとスキンケアに取り組むことです。アレルギーの診断・治療・研究に取り組んでいる国立成育医療研究センターの研究によれば、1日1回以上、赤ちゃんの入浴後などに保湿剤を全身に塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症リスクを3割以上も減らすことができるそうです。

◆新生児期からのスキンケアが大事
乾燥している肌は、バリア機能が低下し、外からのさまざまな刺激に弱い状態となります。したがって、潤いを保つことが肌の健康のポイントとなります。赤ちゃんの肌は、実際にはとても乾燥しがちです。生後2か月頃から、肌を守っている皮脂が激減するからです。加えて、赤ちゃんの肌は水分が失われやすいという性質もあります。そうした理由から、より早いうちから丁寧にスキンケアをすることが大事なのです。

○座波浅香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。株式会社とらうべ社員。大手病院産婦人科勤務を経て、現職では育児相談や妊産婦指導に従事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150320-00000002-mocosuku-hlth

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