障害者の就労や生活支援を行う社会福祉法人「わたぼうしの会」(奈良市)が、家庭で調理でき、高齢者が食べやすいよう工夫を凝らしたレシピを紹介した料理本『わたしの幸せごはん 高齢者のための介護食』(かんよう出版)を刊行した。
「長芋の桜えびグラタン」「すき焼き風豆腐オムレツ」-。本には食欲をそそる90のレシピがずらりと並ぶ。どれも噛む力や飲み込む力が弱い高齢者などが食べやすいように調理された料理ばかり。焼き鮭には小さな切り込みを入れたり、じゃがいもは口に入れやすいようほぐしたり。食が細くなりがちな高齢者に十分栄養を取ってもらおうと随所に工夫がみられる。
本が作られたのは、同会とボランティア団体「友愛おべんとうグループ」(奈良市)、NPO法人「満天星」(生駒市)が共同し、平成21年から実施している「高齢者が楽しんで食べられる料理レシピコンクール」がきっかけ。4年間で集まったレシピの数は300近くに上る。同会職員で介護食士、家令牧(かれい・まき)さん(53)は「手元に置いておくだけでは宝の持ち腐れ。多くの人にレシピを伝えたかった」と話す。
「本にあるレシピはどれも、応募してくれたみなさんの『家庭の味』ばかり。高齢者だけでなく家族やお子さんにも楽しんで食べてもらえる」と家令さん。
本は非売品で現在600冊を用意。希望者には郵送で無料配布している。問い合わせは、わたぼうしの会(電)0742・40・1040。
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