宮城教育大(仙台市青葉区)の点訳サークル「ムツボシくん」が、飲食店のメニューの点字翻訳に取り組んでいる。学生たちは「視覚障害者が気軽に外食を楽しむきっかけにしてほしい」と話している。
点字メニューの製作に取り組んでいるのは3年生の女子学生7人。昨年2月にサークルを結成した。大学で全盲の長尾博教授(視覚障害教育学)から点字の知識やパソコン点訳の技術を学んでいる。
学生たちは2月26日、青葉区のカフェ「太郎茶屋鎌倉」仙台上杉店に点字メニュー2冊を贈った。表紙を含む19ページのお品書きは、見開きの左側に品名と価格を文字で表記し、右側に同じ内容を点字で記した。
指先で触れて読む点字は、紙面から盛り上がる六つの点の組み合わせで五十音や数字を表す。ムツボシくん代表の鈴木志野さん(21)は「利用者にとって分かりやすいメニューにするため、何度も校正作業を繰り返した」と振り返る。
太郎茶屋鎌倉は、宮城県の視覚支援学校や視覚障害者情報センターの近くに立地する。オーナーの竹内正和さん(41)は「視覚障害者のお客さんにも安心して店を利用してもらえる。メニュー選択の幅や楽しみも広がるのではないか」と期待を寄せる。
長尾教授は「仙台市内で点字メニューを置いている飲食店は多くない」と指摘し「学生たちの活動をきっかけに、点字メニューの普及を図りたい」と話す。
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