知的障害がある人が働く料理店「オモヤ キッチン」が3月2日、滋賀県栗東市霊仙寺1丁目にオープンする。自分たちで作った野菜を使い、接客や調理の仕事を通じて初対面の人との接し方や社会人としてのマナーを学び、本格的な就職につなげるための場だ。
野菜作りを通して障害者の就労を支援しているNPO法人「縁活(えんかつ)」が運営する。現在は20~45歳の男性14人が携わっている。昨年は3人が介護施設などに就職した。接客などを学んで就職先の選択肢を増やそうと、料理店を始めることにした。
野菜は、無肥料・無農薬で育てる「自然栽培」で作っている。形が悪かったり、小さかったりして廃棄していた規格外の品を活用し、収入アップにつなげる狙いもある。店長には、野菜の販売先だった大津市の居酒屋を経営していた松岡宏行さん(45)が就任した。
調理は主に松岡さんが担い、障害がある人はその補助や接客を行う。オープン時は2人が働く予定で、職場の人間関係がうまくいかず飲食店の仕事を辞めた経験がある行岡宏道さん(28)は「人と接するのは難しい。でも、人がたくさん来て売り上げが増えればうれしい。はきはきとした接客をしたい」と意気込む。
「縁活」の事務局長杉田健一さん(38)は「店は自分たちが作った野菜の評価を受ける場にもなる。障害がある人が当たり前のようにいるまちを作りたい」と話している。メニューは日替わりランチ750円、コーヒー350円など。問い合わせは「縁活」TEL077(598)5368。
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