[ カテゴリー:福祉 ]

意思表示できない障害者 虐待受けても「話せない」

大阪府堺市の障害者施設で、入居者の男性が左目を失明する大けがを負った。男性は重度の知的障害で、けがをした状況を説明できず、警察の捜査や民事裁判でも原因がわからないままだ。意思表示できない障害者が虐待を受ける場合もあり、厚生労働省は対策に乗り出している。

■左目失明、いったい誰が 堺の知的障害者

堺市の松本剛(ごう)さん(40)は重度の知的障害で意味のある言葉を話せず、身体障害もあり、全面的な介護が必要だ。母の幸子さんは「事件前はよく笑っていたのに、今はふさぎこみ、すぐ寝てしまう。生きる意欲がなくなったようです」と話す。「事件」と呼ぶのは6年前のことだ。

大阪地裁堺支部の判決によると、2009年4月13日、剛さんが堺市の福祉施設の一室で、身体障害のある男性と生活していたときだった。職員は常駐しておらず、午前6時に、剛さんが左目に失明する大けがをしているのが見つかった。施設はアパート1階で、3部屋に計5人が暮らし、窓は施錠されていなかった。

剛さんと幸子さんは11年5月、安全配慮を怠ったなどとして施設側を相手取り、地裁堺支部に提訴。同居の男性が暴力を加えた以外に考えられないと主張。男性には粗暴性があり、剛さんを一人部屋にすべきだったなどと訴えた。

施設側は、男性に粗暴性はなく、同居していた2年半に暴行を加えたことはなかったと反論。適切な支援サービスを提供する義務はあったが、身体の安全にまで配慮する義務は負わない、と主張していた。

判決は、全ての証拠を見ても同居男性の暴行とは認められないと判断。外部からの侵入者、職員、他の利用者による暴行や自傷事故の可能性も否定できないとし、安全配慮義務違反とは認められないと結論づけた。施設側が、大けがの事実を2日後に幸子さんに知らせた点には報告義務違反があったとして慰謝料など15万円を認めたが、それ以外の訴えは棄却した。

剛さん側の代理人、中平史(ふみ)弁護士は「話せないという事情をふまえ、けがや周囲の状況から、何が起きたのかという可能性を検証し、施設側の責任を判断して欲しい。このままでは障害が重いほど泣き寝入りせざるを得ない」と指摘。剛さん側は控訴し、大阪高裁で審理が続いている。

一方、捜査している西堺署は「個別事件については回答を差し控える」とし、一般論として「被害者の供述は事件を立証する上で重要な要素。特に客観的証拠に乏しい事件における事実認定への影響は否定できない」とコメントした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150218-00000010-asahi-soci

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