「ちゃんと話を聞いていないからわからなくなるんでしょ! ○○するんだよ。わかったらどんどんやりなさい!」「話を聞いていない子はやらなくていい!」と大人はいいがちだが、こういう言い方だと、子どものやる気は一気にしぼんで自信をなくし、保護者に対する愛情不足も感じるようになる。それではどう接するべきなのか。教育評論家の親野知可等氏に聞いた。
【質問】
あるイベントで、係の人がやり方を説明して「では、スタート」と言ったのに、うちの子は話を聞いていませんでした。それで、私のところに「何すればいいの?」と聞きに来ました。こういう時はどうすればいいのでしょうか? このままでは、話を聞けない大人になるのではないかと心配です。(小2男子の保護者)
【親野氏のアドバイス】
親や先生の中には子どもがちょっと話を聞いていなかっただけで怒ってしまう人がけっこういます。でも、そんなことで怒る必要はまったくありません。もう一度言ってあげればいいだけのことです。大人同士だったらみんなそうしているはずです。もちろん、いつも話をちゃんと聞ける子もいます。大人には、こういう子は手がかからないので、しっかりしたよい子に見えます。でも、ぼうっとしていたり自分の考えや空想にふけったりしがちな子も、かなり多くの割合でいるのです。そして、こういう子たちも捨てたものじゃありません。
私の経験では、こういう子たちの中に、感性が豊かな子、想像力と創造力に富んだ子、オリジナリティーのある子、アイデア豊かな子、芸術的な才能がある子がたくさんいます。また、癒し系の子、おっとりして穏やかな子、友達に優しい子もたくさんいます。
子どもが、大人から見てほめやすいしっかりしたよい子でなくても、まったく大丈夫です。
その子のよい面を認めてプラス思考で育てていってください。そのためには、話を聞いていないことも含めて、苦手な面にはばっちり目をつむって寛大に接することが必要です。
出典:[ベネッセ教育情報サイト]
ベネッセ教育情報サイト
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150213-00010000-benesseks-life