リステリア菌とは、動物の腸管内や環境中に広く生息している食中毒菌で、4度以下の低温や塩分濃度12%の環境でも増殖できるという特徴を持
っています。
このような特徴から、この食中毒の原因となりやすい食品として、食べる前に加熱を要さない調理済み食品であって、比較的長く冷蔵庫で保存す
る食品(例えば乳製品や食肉加工品など)が挙げられており、実際に海外ではこれらの食品を原因とする食中毒が発生しています。
(日本では、リステリア菌の感染事例はありますが、食中毒事件として特定の食品が原因と断定された事例はこれまでに報告されていません。)
この菌による健康影響ですが、一般に健常者であれば、食品中のリステリア菌が大量(1グラムあたり1万個以上)でない限り、食べても発症す
るリスクは低いとされています。
一方、高齢者や免疫機能が低下している人は少ない菌量でも発症することがあり、髄膜炎や敗血症などの重い症状に陥ることがあるとされていす。
日本におけるリステリア菌の規制ですが、これまでも食品衛生法に基づき、非加熱の食肉製品(生ハムなど)と一部のナチュラルチーズについて
は、リステリア菌が検出されたものは流通が禁止されてきました。
厚生労働省は、リステリア菌に関する国際基準や食品安全委員会による健康影響の評価を踏まえ、従来から規制の対象としてきた非加熱の食肉製
品と一部のナチュラルチーズについて、1グラム中のリステリア菌数を100個以下とする基準を先月定めました。
消費者としては、リステリア菌のように冷蔵庫内でも増殖できる食中毒菌がいるということに留意し、特に非加熱で食べる食品については期限内
に食べることなどを心がけたいですね。
リステリア菌について詳しくは厚生労働省ホームページを御覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html
[情報元:新潟県福祉保健部生活衛生課]