「性の健康週間(11月25日から世界エイズデーの12月1日までの1週間)」というのがあるのを、みなさんご存知ですか?
2012年のこの運動では「オーラルセックス(口腔性交)」に焦点を当てていたほど、じつは誤った認識が多い行為です。性感染症の拡大は、正しい知識がないからとも言われています。
ここでは、オーラルセックスの2つの危険についてご紹介します。
70%の男女が経験者。それは危機感がないから?
先進国で性感染症が増加傾向にあるのは日本だけ、といわれることもありますが、それも正しい知識が広く浸透していないからでしょう。
日本では10代後半〜30代のうち70%はオーラルセックスの経験がありますが、その内、コンドームの使用率は20%との報告もあります。
口なら妊娠しない、性病は移らないという思い込み、あるいはゴムをつけたままは気持ち悪い、というのが大きな理由だと思います。 しかし、「口での行為」にも、じつは危険が潜んでいるのです。
オーラルセックスに潜む2つ危険
危険1:性器→口→性器…へと微生物が移動し、性病に
唾液や精液を介して、性器から口、口から性器へと微生物が移動することになります。微生物の中には、次の性感染症を起こすものも含まれます。
- 淋菌
- クラミジア
- ヘルペス
- 梅毒トレポネーマ
- AIDSを起こすHIV
危険2:口の中に感染しても無自覚で、他人に感染
移動した病原体が即、体に侵入して感染が成立する、というわけではありませんが、性器も口も粘膜。他のヒフよりはずっと薄く弱いのです。
実際、性器淋菌感染症者の10〜30%、性器クラミジア感染症者の10〜20%は口からも菌が検出されるという報告があります。
しかし、特に口の中に感染したほんとんどの場合が無症状。つまり、口や咽に菌が付いても気が付かないまま、さらに他の人に移してしまうこともあるわけです。
性感染症を防ぐには?
コンドームの陰茎装着や、女性器にはラップなどを使用することで感染のリスクを低くすることができます。とはいえ、もちろん完璧ではありません。
通常のキス程度であれば感染リスクは極めて低いのが救いです。ともあれ、まずは相手をよく選ぶことが第一。心当たりがなくても注意をしましょう。そして、正しい知識をつけていくことが大切ではないでしょうか。