ピロリ菌、という名前を聞いたことはありますか?何となく可愛らしいイメージのある名称とは裏腹に、胃の粘膜に住みついて悪影響を与えることで有名な細菌・ピロリ菌。胃や腸に関係した疾患の原因になるとして、良く知られるようになりました。
ここでは、胃がんの原因となるピロリ菌について、簡単に解説してみます。
◆ピロリ菌はどこで感染するの?
ピロリ菌は食べ物や水からの経口感染によるものとされていますが、未だ感染ルートがハッキリしておらず、感染予防に関してもまだ未確立のままですが、唯一ゴキブリがピロリ菌を運んできている可能性が高いとされているため、ゴキブリ駆除が予防法に挙げられています。
また、ピロリ菌が入り込んで感染するのは幼児期だけであるため、割合としては、上下水道などの衛生環境が十分に整っていなかった時代に生まれた50才以上の世代に感染者が多く、50才以上の約80%の人がピロリ菌に感染しているものと思われます。逆に衛生環境の整った10~20代の若者たちに関しては、感染者は20%程度とされており、今後は更に感染率は下がっていくと考えられます。
◆ピロリ菌に感染するとどうなる?
しかしピロリ菌は、ただ胃に住み着いているだけであれば何の症状もありません。実際保有者の7割程度は無症状のまま何ら問題なく日常生活を送っています。
問題は、ピロリ菌によって何らかの疾患が発病した場合です。胃が炎症を起こすと激しい痛みを引き起こしますし、更に感染が進むと範囲が広がって慢性胃炎になることもあります。慢性胃炎が進むと胃潰瘍や萎縮性胃炎、十二指腸潰瘍、更には胃がんまで引き起こす可能性があるのです。
実際、胃がシクシクと痛む、あるいは慢性的に胃もたれを感じる、などの理由で検査を受けてはじめてピロリ菌に感染していることが発覚したというパターンは少なくありません。
◆ピロリ菌検査の費用はどれくらい?
このように他の疾患の併発によってピロリ菌検査や治療を行う場合には保険が適用されますが、無症状の場合では自己負担となります。検査方法には内視鏡を使って胃粘膜の一部を採取し、ピロリ菌の有無を調べる方法と、血液や尿、便、呼気などを採取して調べる方法とがあります。
検査だけなら全額自費でも3千円~5千円程度ですが、これに胃カメラなど他の検査が加われば高額になることもあります。
治療法も同様に、3種類の薬を一週間飲み続けるだけと簡単で、保険が利かなくても1万円~1万5千円程度で済みます。
◆ピロリの除菌に効果的な食べ物って?
またピロリ菌の除菌にヨーグルトが効くと噂されていますが、全てのヨーグルトに除菌作用のある乳酸菌が含まれているわけではありません。効果が確かめられているのはLG21乳酸菌で、同名称のヨーグルトなら除菌効果が期待できるとされています。
LG21以外では、梅肉エキスやスプラウト、わさびの葉、海藻類などに含まれる成分にピロリ菌の抑制作用があるとされており、あるものはすでに健康食品として販売されているようです。
Mocosuku編集部
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