大阪府守口市の市立中学の男性校長(60)がいじめ被害に遭った生徒の保護者に対し、校長が直接いじめ問題に関わるのは「人が死んだとき」と発言していたことが16日、守口市教委への取材で分かった。被害生徒が自殺した場合などにのみ対応すると受け取られる内容で、市教委は「心情を理解しない不適切な発言」として厳重注意し、校長は保護者に謝罪した。
市教委などによると、この中学で平成25年5~6月、男子生徒が同級生から暴行を受けるなどのいじめ被害に遭った。
生徒の母親から連絡を受けた学校側は加害生徒を指導するなどし、同年7月に学校で母親に経緯を説明。当初は担任と学年主任が応対し、校長は母親の求めに応じて途中から同席した。
加害生徒の指導などに校長が関わっていなかったため、母親が「指導に入らないのか」と尋ねると、校長は自身が関与するのは「人が死んだり、大きなけがをしたりしたとき」などと回答。母親は「うちの子が死んだら入るということか」と抗議したという。
校長の発言を不適切と判断した市教委は昨年9月まで3回にわたり、校長に認識を改めるよう指導し厳重注意。市内全小中の校長に「いじめ問題では被害児童・生徒や保護者のケアを最優先にするように」と通達した。
校長は産経新聞の取材に、「最初から陣頭指揮をとることはなく、自分が入るのは重大事案のときだと伝えたかったが、被害者側にショックを与えてしまい、軽率だった」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150116-00000122-san-soci