政府が2020年度までの実現を目指す3~5歳の幼児教育無償化については、15年度の導入を目指していた一部無償化は見送るものの、年収約270万円未満の世帯の幼稚園児に限り、保育料を引き下げることが決まった。当初は年収360万円未満世帯の5歳児を無料としたかったが、消費増税先送りなどで財政事情が許さなかった。
11日、下村博文文部科学相と麻生太郎財務相が大臣折衝で合意した。生活保護世帯を除く年収270万円未満世帯の年間保育料(第1子の平均)は、現行では公立幼稚園が5万9千円、私立幼稚園は10万8800円。これを共に3万6千円に下げる。幼稚園児約160万人のうち約11万人が対象。保育所は、預かる時間が幼稚園のほぼ倍で、財源不足もあり、年収260万円未満の世帯は現行の7万2千円で据え置く。
保育料を補助する自治体への財政支援も拡充。年収に応じた負担軽減が均等に行き渡るようにする。合わせて、新年度予算案に前年度比63億円増の402億円を盛り込む。
下村文科相は11日の記者会見で、360万円未満の無償化が実現しなかったことについて「(無償化への)歩みは非常に弱く、越えなければならないハードルがある」と認めた。一方、「前進しているのは事実」として、20年度までに3~5歳児全員を無償化する目標は変えない考えを示した。
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