昨年のクリスマスあたりから、一体、何本のシャンパンを飲んだだろう。もちろん、1人で何本も空けたわけではない。
日本でも、お祝いの席やパーティーなどでシャンパンで乾杯することはもう当たり前になっている。フランスではもちろんのこと、ことあるごとにシャンパンだ。友人宅のディナーにお呼ばれしても、まずはシャンパンで乾杯。レストランでも食前酒としてシャンパンを飲む人が多い。
シャンパンのコルクを抜く「ポンッ」という音が心地よい。結婚式やお祝いのレセプションなどでは、シャンパンのコルク栓をサーベルで切り落とす、サブラージュという方法がある。これは、シャンパンをこよなく愛したナポレオンの時代、将校たちの間で広まった開け方だ。サーベルをシャンパンのボトルの口に斜めに当て、スパッとボトルの口とコルクを切り取るのだ。
サブラージュは誰もができるわけではない。素人が見よう見まねでやるとシャンパンのボトルが破裂するような大惨事を引き起こすこともある。このサブラージュの会がフランスや世界各国に存在し、会員たちはそのテクニックを学んでいる。私は、代々軍人の家であるブルゴーニュの友人宅で何度も、美しいサーベルの使い方、ほれぼれするようなシャンパンの切り口を拝見する機会に恵まれた。
シャンパンの栓は、普通に空けても危険を伴うこともある。圧縮された泡が飛び出す勢いは時速約40キロという。そのコルクが目に当たり、網膜や角膜を損傷する事故がこの時期に増える。時速40キロもの勢いで一瞬にして飛び出すコルクはとても危険だ。天井に向けて開けたら照明に当たってしまったとか、壁に向けて開けたら壁から跳ね返って人に当たってしまった、など様々だ。
もちろんコルクを安全に空けるコツはある。パーンと景気よく音を立ててコルクを飛ばすような開け方ではなく、そっとコルクを抜いていく。最後に「ポンッ」と品の良い音がでればスマートだ。
また、シャンパンボトルの最後の一滴を注がれた人は、その年の内に結婚する、ともいわれており、わざと独身者に最後の一滴を注ぐ場面などもある。私も、もう何度となく最後の一滴を注がれている。
戦場にもシャンパンを運ばせたというほど、シャンパンを愛したナポレオンは「私はシャンパンなしでは生きられない。闘いに勝利すれば飲むのが当然であり、負ければ飲む必要がある」と言ったという。
今年も恒例、年始のお菓子ガレットをいただく。ここでも、まずはシャンパンで乾杯!
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=110337