妊娠・出産には何かとお金がかかります。そんな子育て世帯をサポートすべく、国や自治体では助成金や給付金制度を設けています。妊娠・出産に関してもらえるお金は、主なもので12種類。全員が利用できるもの、所得制限などの条件があるものなどがあります。これらの多くは申請しないともらえないので、妊娠・出産をひかえている人は要チェックです。
◆必要書類は出産前に準備を
妊娠・出産にかかわる制度の多くは、赤ちゃんが生まれた直後に手続きが必要です。しかし、実際には出産直後は何かとあわただしいですし、体力的にも十分回復していない可能性もあります。必要な書類は可能な限り妊娠中に用意し、わかっている部分は先に記入しておくのがお勧めです。
◆もらえるお金の例:出産育児一時金
妊娠・出産関連でもらえるお金の代表例として、「出産育児一時金」が挙げられます。これは出産した人なら誰でももらえるもので、産院に直接お金が振り込まれる直接支払方式と、出産時の費用はとりあえず自分で支払い、後から給付金を振り込んでもらう産後申請方式があります。また、直接支払の場合は入院前に産院で合意書を取り交わす、産後申請方式は入院時に医師にサインしてもらうといった違いもあります。どの制度を利用する際も、一度担当窓口に電話して、申請方法を確認するといいでしょう。
◆制度の利用に必要な手続き
以下では、妊娠・出産に関してもらえる主な助成金・給付金を紹介します。自分が利用できる制度、必要な手続きを確認してみてください。なお、いずれの制度も、申請から実際にお金が振り込まれるまでにある程度日数がかかります。そのほか、制度を利用するうえで不安な点や疑問などがあれば、担当窓口に確認しましょう。
●出産育児一時金
もらえる条件:健康保険の加入者で、妊娠4か月(85日)以上で出産した人
金額:一児につき42万円
申請先:お産をする産院、または加入している健康保険会社の健康保険、国民健康保険の窓口
●児童手当
もらえる条件:15歳以下の子供(日本に住んでいることが条件)を養育していること
金額:月額1万~1万5000円(所得制限世帯は5000円)
申請先:住んでいる市区町村の役所の児童課などの担当窓口。共済年金の人は共済の窓口(職場)
●児童扶養手当
もらえる条件:シングルマザーまたはシングルファザー(ただし、一定の条件あり)
金額:月9680円~4万1020円(年によって変動あり)
申請先:住んでいる市区町村の役所
●乳幼児の医療助成
もらえる条件:健康保険に加入している子供(自治体によっては親の所得制限がある場合も)
金額:病院に支払う乳幼児の医療費の全額または一部(自治体による)
申請先:住んでいる市区町村の役所
●妊婦健診費の助成
もらえる条件:各市区町村に住所のある妊婦
金額:14回分の健診費を一部または全額助成
申請先:住んでいる市区町村の役所
●高額療養費
もらえる条件:医療費の支払い額が自己負担限度額(所得区分によって異なる)を超えた人
金額:自己負担限度額を超えた金額
申請先:健康保険証を発行している機関(会社の健康保険組合や市区町村の役所など)
●確定申告(退職者の所得税還付申告)
もらえる条件:勤務先退職時に所得税を源泉徴収されていて、再就職をしていない人
金額:払い過ぎた所得税分
申請先:住んでいる地域の税務署
●確定申告(医療費控除)
もらえる条件:医療費が1年間(1~12月)に10万円を超えた世帯など
金額:還付金計算式で計算された金額の所得税分
申請先:住んでいる地域の税務署
●出産手当金
もらえる条件:勤務先の健康保険に加入していて、産休を取り、その後職場に復帰した母親
金額:日給の3分の2相当×休んだ日数分
申請先:勤務先の人事・総務などの健康保険担当窓口
●傷病手当金
もらえる条件:勤務先の健康保険に加入していて、傷病のために無給で連続3日を超えて休んだ人(ただし、出産手当金と重複して受給はできない)
金額:日給の3分の2×(連続して休んだ日数−3日)
申請先:勤務先の人事・総務などの健康保険担当窓口
●育児休業給付金
もらえる条件:雇用保険(共済保険)に入っていて、育児休業を取ったあとも働き続ける人
金額:月給の5割相当額×休んだ月数
申請先:勤務先の総務・人事など担当窓口を通して管轄のハローワークへ
●失業給付の延長
もらえる条件:雇用保険に加入していて会社を辞めた母親で、産後に再就職の意思がある人
金額:日給の5割~8割×規定の日数分
申請先:住んでいる地域のハローワーク
参考記事:もらえるお金(赤すぐnet)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150106-00000003-mocosuku-hlth