[ カテゴリー:子育て ]

どうする? 子どものインフルエンザ――予防法や注意点

今年もインフルエンザの季節がやってきました。ニュースなどでは毎年のようにワクチンや抗ウイルス薬が話題になります。しかし、インフルエンザは昔からある病気で、正しく理解していればそれほど怖い病気ではありません。今回は、インフルエンザの効果的な予防法や、かかった場合の注意点などについて小児科医の金子光延(かねこ・みつのぶ)さんがお答えします。

* * * 

■Q インフルエンザはかぜとは違う? 

インフルエンザは、いわゆる“かぜ(かぜ症候群)”の大部分と同様に、ウイルスの感染によって起こる病気です。ただ、インフルエンザの場合、かぜよりも症状が重く、感染力も強いので、かぜとは区別されるのが一般的です。

また、かぜに直接効く薬はありませんが、インフルエンザには有効な薬があります。

■Q どうして何度もかかるの? 
インフルエンザウイルスは、主にA型とB型に分類され、A型にはさらにいくつかの型があります。年によって流行する型が異なり、しかも同じ型でもウイルスが少しずつ変異するため免疫がつきにくく、何度もかかることがあるのです。ただ、一度かかった型なら、感染しても症状は軽くて済みます。一方、ひと冬の間でも、違う型のウイルスに感染すると、2~3回かかってしまうこともあるのです。

■Q ワクチンの接種は必要? 
インフルエンザを予防するには、ワクチンの接種が最も有効です。接種しても感染するケースはありますが、重症化や合併症を防ぐ効果が確認されています。予防接種は生後6か月から受けられ、小学生以下は2回接種が勧められています。十分に免疫をつけるためには、4週間程度あけて接種するのがよいでしょう。流行前に受けておくことが理想ですが、流行が始まってからでも受けられます。また、子どもだけでなく家族全員がワクチン接種を受けて、インフルエンザを防ぎましょう。

■Q ワクチン以外の予防策は? 
インフルエンザウイルスは主に飛沫(ひまつ)感染するので、「感染者から1m以上離れる」「咳(せき)や鼻水を直接浴びない」ことが予防のポイント。また、「流行期は人混みを避け、外出時にはマスクをつける」「帰宅後は手洗い、うがいする」なども心がけましょう。

また、感染を広げないために、咳や鼻水の症状があれば必ずマスクをして、“咳エチケット”を徹底してください。幼児でも3歳ごろからはマスクをつけられるでしょう。家族の誰かがインフルエンザにかかった場合は、全員がこまめな手洗い、うがいを行い、家の中でもマスクをつけて、家族間での感染を防ぎましょう。

■Q 授乳中のお母さんがインフルエンザにかかったら? 
母乳を通して赤ちゃんにインフルエンザウイルスが感染することはありません。お母さんの体調がつらくなければ、よく手を洗い、マスクをしたうえで授乳するとよいでしょう。

■Q 治療に抗ウイルス薬は必要? 
家族や友達など、子どもの周りの人がインフルエンザにかかり、その後に38℃台の発熱が見られた場合は、まずインフルエンザが疑われます。この場合、感染を判定する検査(迅速診断キット)が陰性でも、抗ウイルス薬を使った治療が検討されます。もちろん、ほとんどのインフルエンザは自然に治るので、必ず薬を使うわけではありません。発症後48時間以内は薬の効果が期待できるので、その間に抗ウイルス薬を使うかどうかを判断すればよいと思います。

ただし、免疫の働きが弱い2歳未満の子どもや、ぜんそくなど慢性の病気がある場合は、抗ウイルス薬を使って積極的に治療することが勧められます。

■Q 家庭で看護する場合に気をつけることは? 
インフルエンザでは高熱が出るため脱水になりやすく、熱性けいれんを起こす頻度も他の発熱疾患より高くなります。安静にして、十分な水分補給をしてください。「咳がひどい」「熱がなかなか下がらない」「耳を痛がる」などの場合は、肺炎や気管支炎、中耳炎などの合併症が疑われるので、早めに受診して適切な治療を。また、ごくまれですが、発熱後1日以内にけいれんや意識障害などが起きた場合は「インフルエンザ脳症」が疑われるので、夜間でも大至急、医療機関を受診することが必要です。

ただ、実際には合併症を起こさないケースのほうが多く、またインフルエンザ脳症は予防できるものではありません。ですので、インフルエンザ自体をむやみに怖がったり、心配し過ぎるよりも、子どもの様子や病気の経過をよく観察して、適切に対処できるようにしてくださいね。

■Q 登園・登校はいつからOK? 
熱が下がっても、しばらくはウイルスが体内に残っているので、周りの人に感染させるおそれがあります。解熱した翌日から、保育園・幼稚園の場合は3日間、小学校以上の場合は2日間、登園・登校は控えてください。インフルエンザは体力を消耗する病気なので、十分に回復するまで少し長めにお休みすることが子どものため、と考えましょう。

■『NHKきょうの健康』2014年12月号より

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141222-14122200-nhktextv-hlth

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