クルミはそのまま食べてもおいしいが、料理に使うと、香ばしい風味やコクを加えられる。ソースやドレッシングを作っておけば、さまざまな料理に活用できる。
クルミは秋に採れる木の実。実の中にある硬い殻に覆われた仁じんと呼ばれる部分が食用になる。生のものと、煎ったものが売られているが、どちらも同じように調理できる。食物繊維やビタミン、ミネラルのほか、体に良いとされる脂質が豊富に含まれ、健康食材としても注目されている。
「くるみで健康になる!」(宝島社)の著書がある料理研究家の神野佳奈子さんは、「調理する際は、クルミを細かく砕き、加熱しすぎないのがポイント」とアドバイスする。そうすることで、栄養が吸収しやすくなる上、おいしく食べられるという。
キノコとクルミのバターしょうゆソースは、和風から洋風まで幅広い料理に使える。
〈クルミを袋に入れ、めん棒などでたたいて砕く。フードプロセッサーを使って砕いてもいい。シメジはほぐし、エリンギは縦半分に切ってから薄切りにする。フライパンを熱してバターを溶かし、シメジとエリンギをいためる。だし汁と酒、みりん、オイスターソース、しょうゆを入れて煮立てたら火を止め、砕いたクルミを加えて混ぜる〉
このソースを使って、キノコとクルミのパスタを作る。
〈ゆでたてのスパゲティと、ソースをボウルに入れてあえる。器に盛り、小口切りにした青ネギを散らす〉
バターしょうゆのこってりとした味わいが、クルミを加えることでさらに香ばしく、濃厚に感じられる。このソースは、ハンバーグやステーキに添えてもおいしい。また、溶き卵3個分にソースを大さじ4杯加えて混ぜ、いためた鶏肉と長ネギと一緒に卵とじにしてご飯に載せれば、クルミの風味のひと味違う親子丼になる。
和風クルミドレッシングは、好みの生野菜や魚介類と合わせて。カリカリとしたクルミの食感がアクセントとなって、サラダがおいしく感じられる。
〈クルミを砕いてボウルに入れ、酢、しょうゆ、サラダ油、ハチミツを加えて混ぜる〉
神野さんのおすすめは、このドレッシングを使ったトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ風。
〈プチトマトは半分に、モッツァレラチーズは食べやすい大きさに切る。器にトマトとチーズ、バジルをバランス良く盛りつけ、ハーブソルトとドレッシングをかける〉
ソースもドレッシングも、冷蔵庫で3日程度保存できるので、作り置きしておくと便利だ。神野さんは「毎日の食卓に自然に取り入れ、味わってみてください」とすすめている。
【材料】
《1》キノコとクルミのバターしょうゆソース
クルミ60g/シメジ150g/エリンギ2本/バター45g/だし汁150cc/酒、みりん、オイスターソース各大さじ1杯/しょうゆ同2杯
《2》キノコとクルミのパスタ(2人分)
キノコとクルミのバターしょうゆソース100g/スパゲティ200g/青ネギ適量
《3》和風クルミドレッシング
クルミ60g/酢、しょうゆ、サラダ油各大さじ3杯/ハチミツ同1杯
《4》トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ風(2人分)
和風クルミドレッシング大さじ2杯/プチトマト8個/モッツァレラチーズ1袋(100g)/バジル、ハーブソルト各適量
(2014年12月3日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=109039