若者の県内就職を後押ししようと、県が動画投稿サイト、ユーチューブを活用した企業情報の発信をモデル事業として始めた。動画は1社4分程度と短く、気軽に試聴できる。人目を引くキャッチコピーや軽快な音楽でエンターテインメント性を打ち出しているのが特徴だ。職場の雰囲気など学生が知りたい情報を盛り込み、首都圏に向きがちな関心を県内企業に引き寄せたいとしている。
「新潟県労政雇用課」で検索すると、第1弾として7社の動画を見ることができる。来年1月までに30社分が制作・発信される予定で、業種は建設業、医療・福祉など多岐にわたる。
水道管などをつくる水島鉄工(阿賀野市)の動画は、自社を「目立たないヒーロー」とし、守るのは「当たり前の生活」で武器は「当たり前でない技術」。後輩から尊敬を集めるベテラン職人を登場させた。
道路の維持管理を行うレックス(新潟市中央区)は、白衣を着た「医師」に扮した社員によって、壊れかけの道路を「治療する」。別の社員が「職場の雰囲気は明るい」と言った直後に自らをちゃかす場面もあり、作品としても楽しめる。
県内では企業の求人数と求職者数に隔りがある「雇用のミスマッチ」が起きており、9月時点の有効求人倍率は建設関連の職業が3・77倍、介護関連は1・96倍に対し、事務職は0・28倍となっている。泉田裕彦知事は「地方で豊かな生活、自己実現できる仕事ができる環境を整えるため、情報のミスマッチを埋めていく一助にしたい」と期待を寄せる。
制作したのは、委託事業として公募で選ばれた第一印刷所(新潟市)。県が求めたのは映画の予告編のような動画だ。動画再生回数は1社当たり多くて400回台だが、企業のほか、県の他部局や市町村からも問い合わせや反響が寄せられているという。
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