変形性ひざ関節症の治療の基本は患者教育・運動・減量の3つ。運動には鎮痛薬と同じくらい痛みを和らげる効果があることがわかっている。適切な運動を4つ紹介する。
1.変形性ひざ関節症とは?
ひざの痛みの原因で最も多い変形性ひざ関節症は、大腿骨[だいたいこつ]と脛骨[けいこつ]の間の隙間にある半月板が傷み、関節軟骨がすり減ってしまうことで起こります。その主な原因は加齢や肥満で、年齢が高くなるにつれて発症が増えます。特に、男性より女性に多いのが特徴です。
初期の段階では、関節軟骨がすり減る過程で出た破片が滑膜[かつまく]などを刺激して炎症が起きます。進行すると、やがて関節軟骨や半月板がなくなり、骨どうしが直接ぶつかって激しく痛むこともあります。また、骨がぶつかることで骨からとげができ、周囲の関節包や滑膜とこすれ合って、強い痛みを生じます。
2.治療ピラミッド
変形性ひざ関節症の治療は、病状に応じてピラミッドのように段階的に行われます。治療ピラミッドの土台として、すべての患者さんに行ってもらいたい重要なものが、「患者教育(病気を知る)・運動・減量」です。教育によって病気についての理解を深め、減量してひざへの負担を軽くします。特に重要なのは運動で、継続していくと、多くの場合2~3週間ほどで症状が軽くなります。
基本はあくまでも運動ですが、運動だけで効果が不十分な場合は、次の段階として、鎮痛薬などによる薬物療法を行ったり、「足底板」などの装具を使います。さらに、薬物療法や装具を用いても痛みが改善しない場合には、手術が検討されます。
☆ 痛みを和らげる運動については、
きょうの健康テキスト 5月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年10月28日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20141028-h-001.html