東日本大震災で被災した子供のうち6・3%の子供がぜんそくを発症し、被災していない子供の発症率3・3%を大きく上回っていることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。
アトピー性皮膚炎の割合も高く、研究班は震災後の住環境の変化が影響している可能性があるとして分析を進めている。
調査は、震災時に3、4歳(調査時5、6歳)だった子供を対象に、2012年9~11月に実施した。被災地を含む全国の保育所を通じ、計約6万人分のデータを集めた。
それによると、「被災あり」と回答した約850人のうち、6・3%の子供が医師からぜんそくとの診断を受けていた。
アトピー性皮膚炎と診断された子供も4・8%に上り、「被災なし」でアトピー性皮膚炎の診断を受けた3・4%を上回っていた。
また、「被災した」子供のうち「家が全半壊」した子供では、「被災なし」の子供に比べ、ぜんそくやアトピーを発症する可能性が、ぜんそくで2・1倍、アトピーで1・6倍高かった。
調査にかかわった東北大災害科学国際研究所の栗山進一教授(疫学)は、「被災した子供にぜんそくやアトピーの割合が高いのは、避難所や仮設住宅へと住環境が変化する中で、アレルギーの原因となるカビやダニに触れる機会が増えた可能性がある」と指摘する。
仮設住宅は、天井や畳の裏などにカビが生えやすく、国立医薬品食品衛生研究所(東京都)の調査では、室内の空気中のカビ濃度が一般的な住宅の50~100倍に達していた部屋もあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141104-00050081-yom-soci