古来、生薬として珍重されてきたサフランのスープ
南仏の名物料理として有名なブイヤベース。スープの鮮やかな黄色は、サフランによるものです。
サフランは地中海沿岸が原産のアヤメ科の植物。乾燥させためしべがスパイスとして利用されます。1kgのサフランのために9~10万個ものサフラン花が必要とされ、「最も高価なスパイス」と言われます。
古来、ヨーロッパでは健胃薬や鎮静・鎮痛・痛経薬として、中国でも婦人科の病気一般に広く使われてきました。
サフランには、苦み成分のピクロクロシン、精油成分のサフラナールなどが含まれています。紅色の色素成分はカロテノイドの仲間・クロシンで、近年、発がん抑制作用に関する研究が注目されています。
[ 作り方 ]
(1)下ごしらえをする
白身魚は1切れを2~3つに切って、薄く塩(分量外)をふります。エビはあれば背ワタを除き、尾を残して殻をむきます(殻は(3)で使います)。ムール貝はよく洗って足糸を除きます。トマトはヘタを取って1cm角に切ります。ポロネギは芯を除き、長さ4cmのせん切りにします。サフランはみじん切りにして、水少々(分量外)に浸します。
(2)漬け込む
大きめのボウルに白ワインとオリーブ油を入れて、A 、(1)のトマトとポロネギを加えます。ここに(1)の白身魚とエビを入れてよく混ぜ、3時間ぐらい漬け込みます。
(3)エビの殻でスープを取る
鍋に分量の水と(1)のエビの殻を入れて火にかけ、煮立ったらこしてスープを取ります。
(4)煮る
大きな鍋に(2)を移し、(3)のスープを加えて強火にかけます。煮立ったら弱火にして、アクを除きながら10分ほど煮ます。(1)のサフランとムール貝を加え、ふたをして貝の口が開くまで煮ます。こんがりトーストしたパンと、ニンニクとマヨネーズを混ぜたかんたんアイオリソースを添えます。
■ ムール貝は、アサリ(殻付き)60gで代用できます。その場合は砂出しして、殻をこすり合わせて洗います。
■ あればイタリアンパセリを飾ります。
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