うつ病に本人の考え方やストレスが大きく影響するケースは薬だけでは治りにくい。否定的な考え方に陥っていないか、専門家と一緒に見つめ直す認知行動療法などが有効。
1.考え方のパターンを見直す
うつ病は、気分や意欲に関係する神経伝達物質の働きが悪くなっていること(脳の働き)、本人の考え方、さまざまなストレスの3つの要因が絡み合って発症すると考えられています。抗うつ薬は脳の働きを調整しますが、考え方やストレスの要因が強い場合には、抗うつ薬だけではよくなりにくいことがあります。心理状態に働きかける治療法で、それらへ対処していくことが必要です。
うつ病の人は、自分や自分の将来などについて、否定的に考え過ぎていることが多いので、そのパターンを見直すことが大切です。この場合には、医師と面談し生活の見直しなどについてアドバイスを受けるカウンセリング(支持的精神療法)や、否定的な考え方のくせを治す認知行動療法、対人関係での考え方のパターンを変えていく対人関係療法などが効果的です。また、ストレスが要因の場合には、ストレスを減らすための環境調整や休養が必要です。
2.リワーク(復職支援)
復職を目指す場合、就寝時刻と起床時刻を一定にするなど、まずは生活のリズムを整えましょう。体力づくりのためにウオーキングをしたり、図書館などへ通って文書作りの練習をするのもよいでしょう。
復職に対して不安が強く、なかなか一歩を踏み出せずにいる人や、以前復職に失敗している人などには、復職を支援するリワークというリハビリテーションがあります。リワークは一部の医療機関や地域障害者職業センターなどで行われており、多くはグループ単位で行われ、数か月通ってその後復職します。リワークでは、オフィスワークや軽い運動、認知行動療法、グループミーティングなどのプログラムが行われ、うつ病の症状がなくなった状態と、復職が可能な状態との間のギャップを埋める役割を果たしています。
☆ 認知行動療法などの心理療法、ストレスへの対処については、
きょうの健康テキスト 10月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年10月1日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20141001-h-001.html