体のだるさや立ちくらみ、めまい、食欲不振といった症状は若い女性に多く、低血圧や貧血によるものであるとよく言われます。実際、女性ホルモンの関係や生理、ダイエットなどによって低血圧や貧血になる女性は少なくないのですが、この2つの疾患は症状が似ていることもあって混同されがちです。
しかし同じく血液に関係しているとはいえ、低血圧と貧血は全く違うものです。まずはこの2つの違いについて見てみましょう。
まず低血圧とは、血管が動脈を通る時に血管壁に及ぼす圧力が小さいことを指します。もともと血液は血圧の高い方から低い方へと流れることで血液循環が行われているのですが、本来あるべき血圧の力が小さくなってしまうと、体の末端への血流や重力に逆らって送らなければならない脳への血流が滞ってしまい、倦怠(けんたい)感や立ちくらみ、めまい、動悸、食欲不振などといった症状が現われるのです。
低血圧には、何ら症状が現われないものの血圧が低い体質的な場合と、また症状があっても原因となる病気がない場合(本態性低血圧症)、心疾患などの病気に起因する場合、とがあります。この他に一時的に脳への血流が悪くなることで起こる「起立性低血圧」もあり、これを「脳貧血」と呼ぶこともあるため、余計に貧血と低血圧が混同されてしまうのかもしれません。
一方、貧血とは血液中のヘモグロビンが不足している状態を言います。血液は赤血球、白血球、血小板、血しょうという4つの成分で構成されており、ヘモグロビンはこのうち赤血球の中に存在していて全身に酸素を供給しています。ちなみに血液が赤く見えるのも、このヘモグロビンの色素によるものです。加齢等によってその判断には差がありますが、ヘモグロビンの濃度が成人男性の場合血液1dlあたり13g以下、女性で12g以下である場合、貧血とみなされます。ヘモグロビンはヘムとグロビンとう物質によって合成されますが、ヘムの中には鉄分が含まれており、体内で鉄が不足するとヘモグロビンを合成できず貧血となって体内の各部へ酸素を運ぶ働きに支障がでるわけです。
食欲不振や動悸、息切れ、めまい、立ちくらみ、だるさなど低血圧によく似た症状を引き起こします。体内の鉄分が不足する原因としては、偏った食習慣やダイエットによる鉄分不足の他に、月経過多で鉄分が排出されてしまうことも挙げられます。
低血圧や貧血に似た症状のだるさや脱力感は、コレステロールを抑える薬の副作用として起こっている場合もあります。高コレステロール血症や高脂血症治療の一環として、体内のコレステロール吸収率を下げる薬を服用していると、まれに筋肉の障害が起こり、脱力感や筋肉痛、だるさなどの副作用がでるのです。これを放置しておくと腎臓に負担がかかってくることもあるため、このような症状や尿が赤みをおびているのに気づいたなら、すぐに病院でみてもらいましょう。
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