電話が鳴り、受話器を取って……もし「警察署からです」と言われたら? あなたはすぐに信じ込むでしょうか。もちろん、本当に警察署からの電話という場合もありますが、実は詐欺の電話という可能性もあるのです。
今回は、アディーレ法律事務所の篠田恵里香弁護士に、“警察を装ったニセの電話”を本物だと信じ込んでしまい、100万円の詐欺に遭ってしまったその手口を教えてもらいました。
■警察から“息子が警察者で取り調べを受けている”と電話が!
篠田弁護士に、その具体的なやりとりを教えてもらいました。
「相談者のもとに、“●●警察署の××といいますが”という1本の電話が入りました。“お宅の息子さんが、いま署の方で取り調べを受けている最中でして……”と言ったあと、息子を名乗る人物が出てきます。“母さん、ごめん。つい出来心で、高校生の子にわいせつ行為をしてしまって……”と、泣き声で話すのです」
この段階では、「あれ? 本当? 嘘でしょ?」と思うかもしれません。
そしてすぐに、警察官が電話をかわります。
「“さあ、どうしましょうか。いま被害者の女の子と父親がいるんですが、父親は相当怒っています。警察としては、示談をすすめてはいますが、示談が成立しないと、検察官に送致せざるを得ません”と」
さて、あなたはここでどのように感じるでしょう。「もしかして本当かも?」と思うでしょうか。
■100万円支払えば示談にすると言われお金を振り込んでしまう
その後、被害者の女の子の父親を名乗る人物が電話に出ます。
「“大事な娘に手を出しやがって!”と、怒り狂った様子。相談者がどうしたらいいのかと警察に聞くと、“示談金100万円をすぐに振り込んでいただければ、被害者側の弁護士も示談を成立させると言ってくれています”と言われ、あわてて指定された口座に100万円を振り込んでしまったのです。これも、結局は後日詐欺だとわかりました」
いかがでしたでしょうか。最初は、「まさか自分の息子が」と疑っていても、次々と警察や被害者の父親などが登場することにより、すっかりその出来事を信じ込んでしまったケースです。
「自分はひっかからない」と思っていても、思わぬところで被害にあう可能性があります。このようなケースは、一度電話を切ってから、こちらから息子に確認を入れるようにしたいところです。焦っていると誤った判断をしがちなので、十分注意してくださいね。
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