脂肪肝・ナッシュを改善するには、適切な食事や運動が大切。わずかに体重が減るだけで、効果がみられることもある。実際の方の例から改善するポイントを紹介する。
1.脂肪肝の改善方法
非アルコール性脂肪肝の一部は、ナッシュ(NASH・非アルコール性脂肪肝炎)となり、肝硬変や肝がんに進行してしまうことがあります。いったん肝硬変や肝がんまで進んでしまうと、肝臓を健康な状態に戻すことはできません。しかし、脂肪肝やナッシュの状態であれば、健康な状態に戻すことは十分に可能です。そのためには、食事や運動など、生活習慣の見直しが大きな鍵となります。
食事療法では、現在の自分の肥満度や理想体重を把握することが大切です。次に、理想体重と日常の身体活動量から1日に摂取すべき適正エネルギー量を計算し、3回の食事に分けてそのエネルギー量をとるようにします。理想体重を減量の最終的な目標として、体重を徐々に減らしていきましょう。間食を控え、果糖のとり過ぎにも注意し、脂肪肝になりやすい食事を避けることも大切です。
運動療法で勧められるのは、ウオーキングやサイクリングなどの有酸素運動です。肝臓の脂肪は比較的短時間の運動でも燃焼しますが、ウオーキングであれば1回20~30分間、週に5回ほど行うのが理想です。
2.治療と効果
運動療法を長続きさせるためには、毎日の生活の中に運動を取り入れるやり方がお勧めです。例えば、駅ではなるべく階段を使う、家にいるときにはこまめに掃除をするなど、体を動かすようにします。このような運動は、少ないようでも肝臓の脂肪を減らすには十分効果があります。
減量は理想体重を目指して行いますが、そこまで体重が落ちない段階でも、脂肪肝の状態は改善されてきます。体重の減少がわずかでも、「間食と果物を控える」「こまめに体を動かす」「高血圧を治療する」などの努力で、肝臓の状態を、脂肪の沈着や線維化のほぼなくなる状態まで改善することもできます。
☆肥満度や理想体重、1日の適正エネルギー量については、
きょうの健康テキスト 9月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年9月16日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140916-h-001.html