飲酒の習慣がない人が脂肪肝になる可能性があることが分かってきた。一部は「ナッシュ(非アルコール性脂肪肝炎)」や肝硬変に進行することも。自覚症状がないため要注意。
1.ナッシュとは?
脂肪肝とは、食べ過ぎや運動不足のために余った糖質や脂質が中性脂肪に変わり、肝臓に過剰にたまって、脂肪が肝臓全体の30%以上を占めるようになった状態です。脂肪肝には、飲酒が関係するアルコール性脂肪肝と、飲酒しないのに起こる非アルコール性脂肪肝があります。以前は、非アルコール性脂肪肝は放置しても肝硬変や肝がんに進むことはないというのが定説でした。ところが、なかには、放置すると進行して炎症を起こしナッシュ(NASH・非アルコール性脂肪肝炎)になり、肝硬変や肝がんに進行するものもあるとわかってきました。
ナッシュは初期には自覚症状はまずありません。本人も気づかないうちに忍び寄り、進行します。脂肪肝を予防し、ナッシュを防ぐことが大切です。
2.脂肪肝になりやすい人は?
脂肪肝には生活習慣が大きく関わっています。「果糖をとり過ぎる人」「間食が多い人」は注意が必要です。果物や清涼飲料水などに多く含まれる果糖は、摂取すると中性脂肪となって肝臓に蓄積されやすい性質を持っています。間食も、1回の量が少なくても、繰り返すと余分な糖質や脂質を摂取することになります。「運動の習慣がない人」も肝臓にたまった脂肪を消費することができないため、肝臓の脂肪が増えていくことになります。また多くの場合、脂肪肝の背景には肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの「生活習慣病」があります。歯周病や睡眠時無呼吸症候群とも関係があることがわかっています。ほかにも、内臓脂肪がつきやすい20歳を超えた男性や、ホルモンバランスが崩れる閉経後の女性も注意が必要です。
☆検査については、
きょうの健康テキスト 9月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年9月15日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140915-h-001.html