「手足のしびれ」が現れた場合、「頚椎(けいつい)症」や「頚椎椎間板ヘルニア」などが疑われる。治療は保存療法と手術。薬の種類や手術の方法などをお伝えする。
1.頚椎[けいつい]症と頚椎椎間板ヘルニア
手足にしびれがある場合は、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなど首の病気が起きていることが疑われます。早めに医療機関を受診して原因を調べましょう。
首の骨(頚椎)は7個の骨から成り、骨の間にある椎間板が骨にかかる衝撃を和らげていますが、椎間板は老化や強い負荷などにより、衰えていきます。椎間板が衝撃を吸収しにくくなって骨が変形し、変形部分(骨棘[きょく])が脊髄や神経根を圧迫するのが頚椎症です。一方、椎間板に亀裂が入り、内部から飛び出した髄核が、脊髄や神経根を圧迫するのが頚椎椎間板ヘルニアです。
脊髄が圧迫されると、両方の手足にしびれや感覚の鈍さが現れ、進行すると、運動障害や排尿障害が起こります。神経根が圧迫される場合には、片方の肩、腕、指に強い痛みやしびれが現れ、進行すると筋力低下につながります。
2.保存療法
治療には、保存療法と手術があります。保存療法は、自然に治癒するまでの期間、しびれなどの症状を軽くするためのもので、代表的なものには、薬物療法、生活指導、装具療法、温熱療法、神経ブロックがあります。
最も多く行われる治療法は薬物療法で、よく使われるのは非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)です。最近は、神経に直接作用する神経障害性疼痛[とうつう]治療薬も使われます。痛みが非常に強い場合にはオピオイド(医療用麻薬)が使われることもあります。痛みがそれほど強くない場合には、副作用のほとんどないアセトアミノフェン、筋弛緩薬、ビタミン薬、血行改善薬などが用いられることもあります。神経ブロックは痛みの原因になっていると思われる神経の近くに、局所麻酔薬やステロイド薬を注射し、痛みや炎症を抑える治療です。神経ブロックを希望する場合は、回数などを医師とよく相談してください。
☆保存療法の詳細、手術については、
きょうの健康テキスト 9月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年9月11日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140911-h-001.html