病気になったときにお金で悩まないために備えるのが「医療保険」。しかし、いざというときに保険金がおりないことも……。医療保険のチョイスを詳しく紹介する。
●民間の医療保険
「医療保険」とは、病気やケガで入院したり、所定の手術を受けた場合に給付金が出る民間の保険です。一般的に主な契約となるのは、「入院給付金」と「手術給付金」です。医療保険には「医療保険」という名で販売されているもの、生命保険の特約としての「医療保障」、がん保険の特約として「医療保障(保険)」を付与しているものがあります。
● あれっ?給付金が少ない!?
「脳卒中」と「心筋梗塞」が対象の「重大疾病治療特約」に入っていても、その病気になったからといって必ず給付金がでるわけではありません。脳卒中の1つ「脳梗塞」になったあるケースでは、迅速な対応・治療を受けることができたため、元気に回復。医師の診断でも後遺症は無かったため、給付の対象にはなりませんでした。
保険に加入するときには、支払い事由についても確認しておくことが大事です。また既に加入している場合も、自分の契約内容について確認しておきましょう。1年に1回は契約した保証内容の書類が送られてきます。その機会に確認するのがオススメです。
● がんの診断給付金がもらえない!?
がん保険の特徴の1つは、「がん」と診断された場合に診断給付金として、例えば100万円などの給付があることです。ところが「がん」と診断されても、がんの診断給付金が出ないケースがあります。それは「上皮内がん」と診断された場合です。
一般的に、がん保険でのがんの定義は「悪性新生物」です。「上皮内新生物」は、ごく初期のがん。転移の可能性が極めて低いがんです。がん保険の中には「上皮内新生物」は診断給付金の対象となっていないものがあります。
現在販売されているがん保険では、上皮内がんの場合でも診断給付金がもらえる保険が増えています。ただし診断給付金の金額は保険によって様々です。自分の保険の条件を確認しましょう!
● 保険を見直す!
知らず知らずのうちに、特約などで保障内容が重複し、厚くなりすぎている場合があります。保障内容を整理すると、月々の保険料の負担も減らせることがあります。
医療保険の見直しをしたほうがよい場合もあります。保険には「更新」タイプと「終身」タイプがあります。更新タイプは5年や10年など、ある一定期間で更新されていく保険です。若い頃は保険料は割安ですが、年齢があがるにつれて保険料は高くなります。一方終身タイプは年齢が上がっても保険料は一生上がらず、保障も生涯続きます。ただし、加入する際の保険料は、更新タイプと比べて高めです。
●貯蓄も保険!
日本では公的保険で医療費の多くがカバーされています。それに補完するのが民間の医療保険(保障)です。そしてもう一つの備えが「貯蓄」。ある意味、貯蓄は“万能な保険”とも言えます。
「公的保険」「医療保険」「貯蓄」この3つのバランスを考えながら、もしもの時に備えて医療保険の選択をすることが大事です。
NHK「チョイス」2014年9月6日(土)放送分
http://news.goo.ne.jp/article/choice/life/choice-20140906-c-001.html