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九電、再生エネ購入中断 企業は多額投資 自治体も推進【九州】

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九州電力は二十五日、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に基づく契約の受け入れを、九州全域で中断した。対象は新規受け入れに加え、申請を済ませたが契約に至っていない約七万件も含める。十キロワット未満で自家消費している家庭用の太陽光などは対象外とした。

九電によると、電力の安定供給には需要とのバランスを保つ必要があるが、太陽光発電の急増で供給力が需要を大幅に上回ると、自動的に発電が停止す るなど支障が出る恐れがあるという。今後他の電力管内への送電などを検討し、再生エネをどの程度受け入れられるか見極めるとしている。

太陽光発電は全国的に増えており、北海道電力や沖縄電力も購入に上限を設けている。今回の九電の中断を受け、政府は買い取り制度の見直しを加速させる可能性が出てきた。

二十四日の記者会見で九電の山崎尚(たかし)電力輸送本部長は「電力を安定供給する責任があり、このまま無制限に受け入れられない。ご理解いただ きたい」と述べた。申請中の事業者が計画見直しを迫られることが想定されるが、金銭面の補償はしないとしている。川内(せんだい)原発(鹿児島県)の再稼 働と中断は「関連性はない」と強調した。九電は十月一日から七県で順次説明会を開く。

九電によると、二〇一四年度から買い取り価格が下がったため、今年三月だけで過去一年分に当たる約七万件の申し込みが殺到した。

買い取り制度では国の認定も必要で、九州の太陽光・風力発電の認定状況は五月末で千七百八十七万キロワット。鹿児島が四百三十四万キロワットと最も多く、次いで熊本、宮崎、大分と、この四県で九州全体の四分の三を占めている。

◆「川内原発より送電網を」

再生可能エネルギーを使う発電事業や計画は九州各地で進んでおり、九州電力が買い取り契約の受け入れを中断した影響が広がりそうだ。買い取りを前提に多額の投資をしてきた企業や、導入促進を掲げる自治体もあり、関係者は「今更買い取れないなんて」と困惑している。

長崎県佐世保市の宇久島では、京セラ(京都市)や九電工(福岡市)など五社が世界最大規模となる四十三万キロワットの大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設を検討。二〇一五年度中の着工が目標で、受け入れの中断が長引けば影響を受ける可能性がある。

京セラは今後開かれる九電説明会に出席する予定で、広報担当者は「情報収集を急ぎたい」と話す。

四千キロワットのメガソーラー建設を目指している鹿児島市の男性(50)は会社を設立しことし三月、九電に新規契約を申請した。既に土地代などに 約一億円を投資。男性は、再稼働へ手続きが進む川内原発を引き合いに「原発への投資ではなく、送電網に投資するべきだ。多くの企業が反発するだろう」と語 気を強めた。

二〇年度までに県内全家庭の電力消費量相当分を省エネで減らした上ですべてを再生可能エネルギーで賄う目標を立てているのが熊本県。県によると、 着工していないメガソーラー計画が六件残ったままだ。村井浩一エネルギー政策課長は「全体の目標に大きな変更はない」とする一方で「県として再生エネ導入 の旗振り役を担ってきたが、電力需給のバランスまで考えが及ばなかった」と肩を落とした。

<再生可能エネルギー> 太陽光や風力、水力などで生まれるエネルギーを指す。石油などを燃やす火力発電、ウランを燃料とする原発と異なり、資源が 枯渇せず繰り返し使えるのが特徴。地球温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)の排出量も極めて少ない。ただ、政府によると、発電コストは火力や原子力よ り高い。政府は2012年、電力会社が再生エネによる電気を買い取る制度を義務化、普及を後押ししている。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014092502100014.html

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