障害がある子どもを専門に預かる保育園が、17日、東京・杉並区に開園し、医療的なケアが必要な子どもなどが保育に慣れるための「慣らし保育」を受けました。
開園したのは、障害がある子どもを専門に預かる保育園「ヘレン」です。
保育の事業などに取り組むNPO法人が区の助成などを受けて始めたもので、たんの吸引や、胃に穴を開けてチューブで栄養や水分を送る「胃ろう」といった医療的なケアなどが必要な0歳から3歳の子ども11人が入園することになっています。
保 育園には、病院の小児科で勤務した経験がある看護師など、障害がある子どもの対応に熟練した10人ほどのスタッフが常駐し、子どもの体調や預かるうえで注 意が必要な点などについて母親から説明を受けたあと、17日から早速、「慣らし保育」が行われました。厚生労働省などによりますと、医療的なケアが必要な 子どもを巡っては、多くの保育園が、ケアができる看護師を常駐させられないなどの理由で受け入れを断っていて、入園を求めて訴訟に発展するケースもあった ということです。
鼻からチューブで栄養を送る「経管栄養」を受けている子どもの母親は「区役所からは『経管栄養』を理由に認可保育園の入園を断ら れ、認可外の保育園も10か所ほど当たりましたがすべて断られました。保育園が見つからなければ仕事を辞めなければならなかったので、とても助かります」 と話していました。
この保育園では、1か月ほどかけて「慣らし保育」を行い、来月初めごろから、朝から夕方まで子どもを預かる事業を本格的に始めることにしています。
厚生労働省によりますと、障害がある子どもに特化した保育園は、全国で初めてではないかということです。
保育園を運営するNPO法人「フローレンス」の駒崎弘樹代表理事は「今の社会では、障害がある子どもを出産した親は、仕事ができないなど多くの制約を受けてしまう。この保育園を先行事例にして問題意識が広がってほしい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140917/k10014675641000.html