中山間地域の高齢者の買い物宅配と見守りを進めようと、高知県仁淀川町と同町商工会、ヤマト運輸は、「敬老の日」の15日から「お買い物宅配サービス」を 始める。同サービスは、買い物弱者問題の解消と高齢者などの見守り機能も担うのが特徴。県内では大豊町に続き2例目となり、月400個の利用を見込む。
中山間地域を抱える同町は、高齢化率が50%を超え、足腰が弱い高齢者にとって買い物に行くのが難しく、健康状態を把握することが課題。そこで同町は 10日、調印式を開き、大石弘秋町長と町商工会の高木幸彦会長、ヤマト運輸高知主管支店の藤岡勝也主管支店長が協定書に調印した。
同サービスには、JAコスモスのAコープや農薬・農業資材を販売するアグリセンターなど町内の30店舗が参加。利用する高齢者は、最低1000円以上の 商品を購入し、商店へ電話かファクスで注文。商店はコンテナに商品を詰めてヤマト運輸に集荷と配送を依頼する。午前11時までに注文すれば当日の夕方に届 くため生鮮品の購入もできる。もし購入した高齢者に異常があれば町へ、緊急の場合は消防署に連絡する仕組みだ。
ヤマト運輸の宅配手数料は定額の648円。このうち同町が198円の補助金を出し、残りの450円を商品の購入額に応じて利用者と店舗で負担する。例え ば購入金額が1000~3000円(税込み)の場合、購入者の負担額は400円で、商店は50円となる。1万1円(同)以上を購入した場合は購入者の負担 額はゼロとなり、商店が450円を支払う。
大石町長は「山に囲まれた地域で暮らす住民の生活を支え、見守ることで地域を活性化したい」と意義を強調する。
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