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原発事故の病院などの避難計画 作成進まず

原発事故の病院などの避難計画 作成進まず

原子力発電所の半径30キロ圏内にある病院や福祉施設、学校などは施設ごとに原発事故に備えた避難 計画の作成を求められていますが、新しい国のマニュアルが示されてから1年余りがたつ今も、作成が進んでおらず、多くの自治体が国に支援を求めていること がNHKの行ったアンケートで分かりました。

NHKでは先月、原発の半径30キロ圏内にある道府県と市町村合わせて146の自治体を対象にアンケート調査を行い、すべてから回答を得ました。

このうち、住民の避難計画について作成を義務づけられている市町村に尋ねたところ、59%が「作成を終えた」と答えました。
特に原発の新しい規制基準が施行された去年7月に、審査の申請を行った北海道の泊原発と愛媛県の伊方原発、佐賀県の玄海原発、それに鹿児島県の川内原発の4つの原発の周辺ではすべての市町村が「作成を終えた」と答えました。

しかし、地元の医療機関や社会福祉施設が避難計画の作成を終えているかを市町村に尋ねたところ、「すべて終えた」または「多くが終えた」と答えた市町村が25%にとどまり、「全く終えていない」または「多くが終えていない」が34%。「把握していない」が24%ありました。
小 中学校と高校の避難計画は「すべて終えた」または「多くが終えた」と答えた市町村が38%、「全く終えていない」または「多くが終えていない」が35%、 「把握していない」が10%となっていて、病院や福祉施設、学校の避難計画の作成が新しい国のマニュアルが示されてから1年余りがたつ今も、進んでいない ことが浮き彫りになりました。
また、避難計画の大きな課題としては自治体全体の複数回答で、「高齢者など要援護者の避難支援」を挙げた自治体が80%に上ったのをはじめ、「交通手段の確保」が65%、「ヨウ素剤への対応」が61%と続きました。

国に求めることとしては、「必要な経費の補助」と答えた自治体が59%、「より詳細なマニュアルの提示」が56%、「自衛隊や警察などとの連携」が47%などでした。
自由記述には「原子力防災では避難道路の整備や確保などが必要で、市町村だけの対応では限界がある」とか、「職員のマンパワー不足もあり、実効性のある広域 避難計画が策定できるか不安だ」など、避難計画の作成や実効性の確保のため、国により積極的な支援を求める意見がありました。
内閣府原子力災害対 策担当室の森下泰参事官は、「福島の事故の反省も踏まえてどの自治体も悩みながら防災に取り組んでいる。必ずしもすべての自治体に国の支援が行き届いてい るかと言うと、まだ濃淡があると思うので、もっと積極的に支援できないか考えている」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140909/k10014450991000.html

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