こんにちは、Movable Type ディベロッパーリレーションマネージャーのにっくです。
突然ですが、僕には小学4年生の子どもがいます。最近、子どもとの連絡のために、携帯電話を買い与えるかどうか、激しく悩んでいます。
子どもとの連絡や、所在確認のために、携帯電話を持たせたい保護者の方は多いでしょう。一方で、携帯端末を通じたネットアクセスに対して、どう考えればよいか、悩んでいる方も多いと思います。
携帯端末にかぎらず、普段パソコンを使っている子どもさんがいる場合、インターネットとの向き合い方は、常に悩みのタネだと思います。
今回は、子どもと携帯電話・インターネットの関係について、改めて考えてみました。
勝手アプリ、位置情報には細心の注意を
少し前の話になりますが、一般財団法人インターネット協会に所属する、大久保貴世さんの講演を聞く機会がありました。大久保さんの言葉で印象に残ったのは、
「子どもに携帯端末を渡す=インターネットへの接続を許可するようなもの」
であり、
「携帯を渡すときは、インターネットリテラシーについて理解させる必要がある」
というものでした。
確かに、現在の携帯端末は、インターネットへの接続機能を持つものがほとんどで、子どもたちとインターネットの関係について考えずにはいられません。
Photo Credit:Lizette Greco via Compfight cc
内閣府の調査(※)に よれば、小学生の携帯端末(携帯電話、もしくはスマホ)の所有率は約36%、中学生で51%、高校生になると実に97%まで達するそうです。また、携帯端 末をとおしてインターネットに接続したことのある人は全体の80%強、存在しました。この資料からも、大久保さんの言葉を裏付けます。
講演では、「特に気をつけたいこと」として、以下の2点をあげていました。
勝手アプリ
勝手アプリの中には、プライバシー情報を知らない間に抜き取るタイプのものがあります。勝手アプリが多いAndroid端末では、特に気にしたい点です。
位置情報
誤ってジオタグ付きの画像写真をブログなどに投稿した場合、Exif情報から、投稿者の所在地を特定できます。例えば、女の子が自宅で自分の写真をとって、位置情報がついたままブログに投稿したら……。位置情報を使えば、その子の自宅が特定できてしまいます。
この2つには、特に注意が必要です。
フィルタリングの設定をしよう
子どもに対してインターネットを使わせる場合、フィルタリングはぜひ検討したいサービスです。
と ころが、先述の内閣府による調査資料を見ると、子どもに通常の携帯電話を使わせている家庭で、「フィルタリング機能を使っていない」「使っているかどうか わからない」、という人は、全体の約46%に達しました。スマートフォンについても、全体の約50%が、「フィルタリング制限なし」もしくは「わからな い」という回答でした。
この結果から分かることは、半数近くの家庭が、携帯端末のフィルタリングを意識していない、ということです。
携帯端末のフィルタリングについて、さらに注意が必要なのは、Wi-Fiです。一般に、携帯キャリアは各社独自のフィルタリング機能を持っていて、通信網経由の通信については有害サイトをフィルタリングすることができます。
その一方で、Wi-Fi経由の通信はフィルタリングが効かず、端末自体にフィルタリングソフトを設定しないかぎり、ほぼ無制限にネットにアクセスできる場合がほとんどです。
※画像はデジタルアーツ株式会社ウェブサイトから引用
携 帯端末を使う場合、まずはキャリアのフィルタリングをしっかりと設定しましょう。そして、Wi-Fi経由の通信にも注意を行ったほうがよいでしょう。 Wi-Fi通信のフィルタリングは、携帯大手3キャリア、そしてフィルタリングソフト開発会社から、インストール型のWi-Fiフィルタリングソフトが提 供されているので、インストールを検討するとよいでしょう。
子どもと対話をする
インターネット協会の大久保さんは、子どものインターネット利用については、「知らぬが仏ということはない」と言います。
子どもがインターネットの使い方を誤っていた場合、単に「しかる」、「ネットを遠ざける」前に、子どもと対話し、子どもの状況を理解するべきだということです。
では、子どもと対話をするためには、どうすればよいか?大久保さんは、「対話のための5つのキーワード」を紹介してくれました。皆さんにもご紹介します。
対話のための5つのキーワード
1. 友達はインターネットで何をしているの?
2. 最近いちばんおもしろいサイトやアプリは?
3. お気に入りのサイトを見せてくれる?
4. 「ネットいじめ」のことは知っている?ネットいじめに遭ったり、目撃したりしたことはある?
5. ネットで、おかしなもの、悲しい気持ちになるもの、怖いものや嫌な気分になるものを見たことはある?
これら5つのキーワードを通じ て、子どもと対話をし、子どもがインターネットとどのように接しているかを理解すること。そして、間違った、あるいは危険な使い方をしていた場合、「なぜ 間違った使い方なのか」「なぜ危険なのか」を、きちんと理解させることが大事なのだそうです。5つのキーワードを積極的に使って、子どもと対話しましょ う。
http://www.huffingtonpost.jp/six-apart-blog/kids-and-internet_b_5788534.html?utm_hp_ref=japan