「介護人材における介護福祉士の在り方について」をテーマに「第5回福祉人材確保対策検討会」が開催された。
(画像は「介護人材における介護福祉士の在り方について」資料より)
現在、介護の現場で働く介護職員の就業形態は、契約職員やパートタイム労働者などの非正規の職員に大きく依存している。訪問介護に至っては8割近くが非正規職員という現状だ。
しかし、非正規職員が正規職員になりたいという傾向は、必ずしも強いわけではなく、変化に富んだ働き方を求める結果も出ている。
訪問介護員の現場では常勤職員の離職率が高く、逆に施設などの介護職員は非常勤職員の離職率が高くなっている。
職員の年齢を見ると30〜49歳が主流で、訪問介護では約3割を60歳以上が占めている。また、施設などの介護職員、訪問介護員ともに40歳以上の女性が多く過半数を占め、男性は40歳未満が主流となっている。
現在の仕事に対する満足度を見てみると、キャリアアップの機会や職業訓練、能力開発の在り方に対して不満を持つ者が多く、特に施設などでの介護職員にその傾向が強い。学びの機会を求める職員が多くいると言える。
介護人材を量的に確保することも大切だが、介護の質を保つために、能力の高い人材を必要とする分野に重点を置いていくことが求められている。
2025年には3,657万人に達すると言われる65歳以上の高齢者、75歳以上の高齢者は全人口の25%を超えると言われる。
このように高齢者自体の増加、認知症高齢者の増加、高齢者単独世帯の増加が見込まれることから、今後介護ニーズは更に多様化し複雑化することと思われる。
しかし、少子化の影響で15歳から64歳の生産年齢人口の減少が予想される一方で、2025年に最大でも約250万人を確保する必要があるこのバランスを、どうとるかが今後の大きな課題となる。
そういった中で、責任の伴う高い能力を求められる分野には、その中核的役割を果たすことができる職種として介護福祉士に期待が寄せられる。
討論会では、キャリアパスの推進のため、介護福祉士の上に専門性の高い“認定介護福祉士(仮称)”を設けるなど、資格の高度化などで役割の明確化を目指す案が出された。
また、今後の介護福祉士の方向性として、介護福祉士を重点的に投入していく必要性、量と質の促進、そして全体で5割以上の割合を目指すことが案として出された。
現在、介護職員に占める介護福祉士の割合は、4割近くまで上昇している。(平成24年度現在)
しかし、資格を持っていながら従事している介護福祉士は約6割に止まっていることから、担うべき役割とそのために必要な処置を更に検討していくことが大切だ。
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